エピローグ

 数日後。

 国中に、活気が戻っていた。

 閉店していた店は営業を再開し、道には人が溢れていた。そして、王家が中心となり、建国300年祭への準備を着々と進めた。

 アズの仕立て屋には、たくさんの人が洋服の繕いなどを求めてやって来た。休業中に依頼が溜まっていたのだろう。

 フィナの学校では、授業が再開された。1人前のフローリストになるべく、毎日楽しく勉強をしている。

 シアが稽古をしていた舞台も、改めて公演が決定した。シアはこの舞台で、初めて単独主演を務める。

 リアは、溜まっていた魔法のテキストの練習を始めた。全ての魔法を完璧にこなせるようになることを目標に掲げている。

 ウィラは、王家の計らいにより、家族の元に帰ることが出来た。母親の顔を見て、ウィラは大声をあげて泣いていた。


 デューは、変わらず勇者として冒険や探索を続けている。最近は、仲間と共に出かけることも増えた。

 ミルも、ギルドから託された護衛に励んでいる。マスターから、より重大な仕事を任されるようになった。

 ユノは、大道芸を楽しみに待っていた子供たちのために、定期的に公演している。観客の拍手が何より嬉しそうだ。

 タウは、引き続きたくさんの研究に熱を注いでいる。クロナの効用をまとめたレポートは、学会で特別大賞を受賞した。

 クーは王家に戻り、以前と同じように公務を遂行した。ジラと共に、王様の横に立つことも増えた。王家はケル族の合併問題に取り組んでいる。

 ディアは、いつものように荷物をまとめ、袋を背負い、朝市へ出かけた。

「いらっしゃいませ!小瓶ですね、200エスクになります。ありがとうございました!」

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