第3話 召喚されたのは動物の国⁉︎

俺は目の前に広がる光景に唖然としていた。



「お目覚めになりましたか?」


「ちょっ、えぇぇぇぇぇ⁉︎」



そこは草原の真ん中で、二足歩行の動物達が人間みたいに会話している。驚きを隠せない俺をよそに、彼女は話を続ける。



「いきなり召喚したのは申し訳ごいませんでした。この世界での動物は獣人といい、人間のような容姿と言葉を使うのです」


「やっぱり、これは夢じゃないのか...」



未だに俺はまだ目の前の状況を信じられずにいた。それはそうだろ、なんだよ「獣人」って。こんなのまるで...



「ここは異世界なのか?」


「さようでございます。ですが、ただの異世界ではございません。

ここは私達、動物が支配する国なのです。」



やっと理解が追いついた気がする...

さしずめ俺は、異世界召喚されたのだろう。けどなんで召喚されたんだ?この娘、俺が勇者とかなんとか言ってなかったか⁉︎



「俺の聞き間違いかもしれないけど、

俺に勇者になってくださいって言った?」


「はい、あなた様にはこの国の勇者になってもらいたく召喚いたしました」




やっぱり言ってたか。勇者か、悪くはないなけれど俺は...


すると、彼女は剣を取り出した。



「これが勇者の剣でございます。これを使ってください」


「いらないよ」



俺はそう言うと、剣を地面に突き刺して言葉をついだ。



「勇者にはなるけど、俺は戦わない。

動物を傷つけたくはないからな、例えこの国の獣人というのが敵だとしても...

俺は戦わずに勝つ方法を探したい‼︎」


「ふふっ、実にあなた様らしいですね。ですが、せめて護身用になると思うのでこの剣は置いていかせてもらいます」



すると、彼女は光と共に消えてゆく。



「待て、まだお前には聞きたいことが‼︎」


「私の案内はここまでです。後のことは

あの二人に任せています。私は影ながらあなた様の援助をいたします」



そう言い残すと、彼女は俺を召喚した時の光と共に消えていった。



「なんだよ...召喚しといて置き去りかよ、

でも二人がどうとか言ってたよな...」


「ご主人様〜」



一人でボヤいてた俺に美少女が抱きついてきた。いきなりの出来事に俺の頭は真っ白になった。長い耳に、白くて丸いしっぽ...まさか‼︎



「ラビ...なのか?」


「そうだよ‼︎ご主人様、私はラビだよ」


「 はしたないですよ、ラビ‼︎」



抱きつくラビに、嫉妬しているこの美少女もまさか‼︎



「もしかして、ハナなのか?」


「はい、ハナでございます。私とラビはご主人様をお守りするべく参上いたしました」



俺はまだ状況が読み込めず、ただ硬直しているしかなかった。



目の前にいるこの美少女二人は、自らを家のペットと名乗ったからだ...

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