第2話 捨て猫は獣人⁉︎

俺は今井俊介17歳、動物をこよなく愛する高校生。俺の趣味は動物の研究と、動物の世話をすることだ。家で飼っているペットは犬のハナと、ウサギのラビがいる。


ハナはポメラニアンのメスで、とにかく人懐っこい性格の可愛い犬で

ラビは白ウサギのメスで、ハナに負けないくらいに人懐っこい性格のウサギだ。


そんなハナとラビだが、最初に出会った頃とは見違える程に成長したと思う。

当初のハナとラビは河川敷で捨てられているところを俺が拾ったのだが、それはそれは臆病な性格だった。



「そういえば、この辺りだっけ...ハナとラビに出会ったのは」



学校の帰り道、俺は呟く。そこはかつてハナとラビを拾った河川敷だった。なぜだかこの場所には、ついつい来てしまう思い出のようなものがある。


散歩を続けていると、ダンボールのようなものを発見した。



「なんだこれ?」




中を覗くと、そこには衰弱しきった子猫がいた。



「捨て猫⁉︎しかも衰弱している...」



子猫を抱えて、急いで家へと帰る。玄関を開けるや、俺は子猫にミルクを与えた。



「お腹空いただろ?まずはこれを飲め」



子猫はミルクを頑なに拒み、俺を睨みつけている。俺は頭を掻いて悩んでいた。



「参ったな、せめて一口でも飲んでくれれば...まずは俺に慣れてもらうか」



そう呟くと、俺は布団を持ってきて衰弱しきっている子猫の横にひいた。


それから俺は、子猫につきっきりで看病した。子猫から離れたのはハナの散歩とラビのエサやりぐらいだ。子猫は次第に俺に心を開きはじめて、いつしか俺の与えるミルクも飲むようになっていった。



子猫の看病から一週間後のことだった。

あの衰弱しきっていた子猫は、今では見違える程に回復していた。俺は寝不足な目をこすりながら、この子猫をどうするかを悩んでいた。



「もうすっかり回復したみたいだな。俺もそろそろ学校行かなきゃいけないし、この子猫をどうしよう」


「俊介様、あなた様にお願いがございます」



俺が子猫をどうするかを悩んでいると、どこからともなくその声は聞こえてきた。声のしたほうへ目をやると、声の主は子猫だとわかった。



「猫がしゃべった⁉︎」


「私は猫ではございません。私は獣人でございます。」



子猫はそう言うと、可憐な少女へと変わっていく。猫耳が特徴的な美少女は、俺に言葉をつぐ。



「あなた様は噂どおりの人物でした。そんなあなた様に私からお願いがございます」


「えっ?俺にお願い?」


「あなた様には勇者になっていただきたいのです」



彼女がそう言うと、俺の頭に強い衝撃が走った。多分、俺は気を失っていたんだと思う。



目を覚ますと...そこは異世界だった。


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