第5話クローゼットの男の子
小学四年生~六年生の間、住んでいたマンションがヤバかった。
引越し初日、私の直感を刺激しまくり。親はよくここを選んだなと関心するくらい。
まず子供部屋にあるクローゼットの中。絶対なんかいる雰囲気がビリビリ感じる。
だが、収納はそこしかない。開けるしかない。
思い切って開けてみた。……いたよ。クローゼットの中に体操座りの男の子。困ったなと思いとりあえず閉めた。
同じ部屋を使うことになっていたすぐ下の妹にとりあえず報告。すると妹もなんか嫌な感じはしていたらしく、今度は二人で開けてみた。……やっぱりいた。黙って扉を閉める。
「どうする?」
「どうするも何ももう一度引っ越してくれと言っても無駄だろうし」
「そうだけどさ。あの子いたら荷物入れられないじゃん?」
それもそうだと思った私は思い切ってもう一度扉を開け男の子にこう言った。
「荷物入れたいからどいてほしいんだ。三秒やるからどいてくれ」
そしてまた閉める。三秒後に再度開けるといなくなっていた。
妹と話し合った結果、なるべく使わない物を中心にクローゼットを荷物でパンパンにしたらもう出てこれないだろうという結果に落ち着き、隙間なく荷物をつめた。
荷物を入れながら妹が言った。
「やっぱり『わぁ! ビックリした!』くらいは言ってあげた方がよかったのかな」
そんな芝居がかったリアクションなら幽霊もほしくないだろ……。
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