従者型のブリード

前話、つまり従者のルールの振り返りを読んできた人はお疲れ様。

読み飛ばしてきた人は斜め読みでも軽く読んでもらえれば幸いである。


さて、この話では従者型で使うシンドロームについて考えていこう。


まず、ブラム=ストーカーを使用することはほぼ確定である。ウロボロス(基本環境には存在しないシンドローム。他のシンドロームのエフェクトをコピーして使うことができる)で《赤色の従者》をコピーすれば出来ないことはないが、ウロボロスでは従者専用のエフェクトが使えない上に侵蝕率も嵩むため、相当な理由がない限りやめたほうが良いだろう。


つまり選択できるのは

①ブラム=ストーカーのピュアブリード

②ブラム=ストーカーを含むクロスブリード

③ブラム=ストーカーを含むトライブリード

(④ウロボロスで《赤色の従者》を修得)

である。


まず①のブラム=ストーカーのピュアブリードから考えていこう。


ピュアブリードのメリットはレベル上限が上がることと、ピュアブリード制限のエフェクトが使えることである。

しかし、実のところ従者型ではあまりピュアブリードのメリットを受けることはできない。


理由は単純にピュアブリード制限で欲しいものが無いことと、レベル上限が上がることよりもエフェクトの幅が広がるほうがより良いからである。

レベル上限が上がって嬉しいエフェクトは《愚者の兵装》や《ブラッドバーン》などだろうか。ただし、《愚者の兵装》の上限が上がって嬉しいのはEA環境だが、EA環境のピュアブリードだとそれよりもリミットエフェクトが修得し難くなることの方がデメリットとして大きくなることが多いのではないだろうか。


ピュアブリードで使う場合は〈射撃〉や〈白兵〉を使うアタッカーが作りやすいだろう。従者のHPを伸ばす場合赤色の従者や《ライフブラッド》を強くするしかないので、HP管理は難しくなる。その点は注意である。


さて、次は②のブラム=ストーカーを含むクロスブリードについて考えよう。


クロスブリードのメリットは、なんといってもブラム=ストーカー以外のエフェクトが修得できることである。トライブリードとの違いはレベル上限低下が無いために経験点がより効率的に使いやすいことと、侵蝕率が低くなりやすいことだろうか。

従者型では基本的にこのクロスブリードで作っていくことになる。


ブラム=ストーカーに存在しない効果で、従者型でたいへん役に立つ効果のエフェクトは、どんなものがあるだろうか。


まずはエグザイルの《異形の刻印》をはじめとするHP増強エフェクトだ。

ピュアブリードでは、ブラム=ストーカーで従者のHPを増やそうとなると《赤色の従者》などの従者のHPだけを増やすエフェクトを取るしか無かった。それらだと作成者のHPは増えないため作成者の防御に関しては他に用意する必要があったのだ。

しかし、HP増強エフェクトなら違う。従者は作成者のエフェクトを全て使用できる、というルールにより、《赤色の従者》と同じ倍率で従者と作成者のHPを同時に増やすことができるのである。


また、ブラックドッグの《アタックプログラム》をはじめとする固定値増加エフェクトも有用である。

前話で書いた通り、従者は技能が0である。EA環境なら《愚者の兵装》で増やすことが出来るが、それも効率は良くない。

そんなとき、固定値増加エフェクトはとても役に立つのだ。


TRPGをプレイする大体の人が分かっているように、固定値は正義である。それは従者でも変わらない。10D10 C値7では怖いが、8D10+10 C値8なら安心である。もし取れる経験点があるなら、ぜひ取るべきだろう。


これ以外にもたくさん有用なエフェクトがあるが、それはまた他の解説で語ることにしよう。


③のブラム=ストーカーを含むトライブリードについての話に思考を移ろう。


トライブリードのメリットはやはりクロスブリードよりも更に多い種類のエフェクトたちから選ぶことが出来るようになることだ。

従者型ではクロスブリードで欲しいものが取れない時に選ぶことになるだろう。初期作成ではトライブリードで欲しいものが取れるほど経験点が無いことがほとんどなので、トライブリードは選ぶ理由が少ない。


トライブリードではブラム=ストーカーをオプショナルシンドロームにすると言う選択肢もかなり出てくる。正直80%制限で使いたいものは《ブラッドバーン》とせいぜい《実態なき一撃》や《万全なる使用人》ぐらいだと思うので、それよりは能力値を見て調整する方が良いだろう。


ちなみに、私は従者型で優先される能力値は

感覚≧社会>精神>肉体

と考えている。

感覚が最も優先度が高い理由はもちろん行動値確保のためであり、その次に社会が来ているのはミドルフェイズで活躍するためである。社会が感覚より低いのは《血の絆》

を使用した場合マイナス3されて使えなくなるからなので、場合によっては社会を優先することもある。肉体や精神はそれぞれ白兵かRCを使うアタッカーを作るときに考えるぐらいだろうか。


最後に④についてだが……。まあ、使う人は居ないだろうから、割愛させて貰う。


と言うことで、従者型には以上のような選択肢がある。ダブルクロスの性質上、選択肢はさまざまである。自分の作りたいキャラクターを固めて、シンドロームを選ぶようにすると一番だろう。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る