従者型を作るために

従者とは

従者型を作るにあたって、まず考えるべきことは「従者とはなんなのだろう」ということである。


そんなの分かってるわい、という諸氏は、再確認するつもりで斜め読みしてもらえると嬉しく思う。


「従者」とは、ブラム=ストーカーのエフェクトである《赤色の従者》によって作り出される擬似生物である。基本的には作成者に忠実なであり、システム上では制作者に抗って制作者を殺すようなことはない。


ただし、基本ルールブック2の226ページのクリムゾンビーストのように、制作者が衝動に負けたりすることで従者が作成者を飲み込んでしまうことがあるようだ。GMがお茶目だった場合、衝動判定失敗時に従者が作成者のPCを飲み込もうとする描写をする可能性ぐらいはあるかもしれない。作成者側からそのようなRPがしたいと提案しても楽しそうである。


従者は作成者が《赤色の従者》を使用したとき、作成者と同じエンゲージに出現する。もし使用したときに戦闘中だった場合、原則的にその従者は[行動済み]で出現する。


従者の能力値は全て3である。エフェクトによる強化を行う場合、この3にプラスして行くことになる。また、技能は作成者の技能に関わらず全てゼロである。能力値と同じように、エフェクトによる強化を行う場合はこのゼロにプラスしていることになる。


従者の行動値や戦闘移動距離などは能力値からそのまま計算される。つまりエフェクトがなければ行動値は9で戦闘移動距離は14である。また、常備化ポイントや財産ポイントは持たない。

従者のHPは他の副能力値とは別に、エフェクトから計算される。《赤色の従者》のレベルが1でHP増強エフェクトがなければ、15点になる。


従者は《赤色の従者》を除いた作成者の使用できる全てのエフェクトを使用できる。ただし、従者と作成者はエフェクトの回数制限を共有する。

たとえば、作成者が《崩れずの群れ》などのカバーリングエフェクトを使った攻撃に対して従者が同名のカバーリングエフェクトを使用することは、カバーリングエフェクト共通の制限である"1メインプロセス1回"の制限によって不可能なのである。


基本ルールブック環境でやっている人には関係ないことだが、従者は「制限:Dロイス」のエフェクトを使用できない。ただし、Dロイスの効果は使用できるし、Dロイスの効果で修得した制限:Dロイスではないエフェクトの使用は可能だ。


従者は原則としてアイテムを使用できない。ここで言うアイテムとは完全獣化と同じで装備や消耗品、ヴィークルなどを全てひっくるめたアイテムのことである。


従者はひとりのキャラクターであり、ひとりのオーヴァードとして扱われる。このことから従者がイニシアチブキャラクター、つまり手番になったとき、行動可能であればそのままメインプロセスを行うことができる。


従者はHPが0になると即座に消滅し、ゲームから除外される。また、《血の絆》というエフェクトを《赤色の従者》使用時に組み合わせて居なければ、シーン終了時点でも従者は消滅し、ゲームから除外される。

HPが0になった瞬間消滅してゲームからいなくなるため、従者には戦闘不能状態が存在しない。ついでに死亡状態も存在しない。復活エフェクトで再利用はできないので注意である。


従者には数制限が存在する。作成者は《声なきものども》というエフェクトが無ければ、1シーンにつき1体までしか従者を作成することができない。また、この制限は作成した従者が消滅してもそのシーンが終わるまで持続する。

つまり、《声なきものども》が無い状態で従者を1体作成した場合、その従者が消滅しても、そのシーンはもう従者を作成することができない。

さらに、この制限はシーンを越えて従者が存在する場合も持続する。

そう、《声なきものども》が無い状態でシーンの最初から従者が1体存在していた場合、その従者が消滅しても、そのシーンはもう従者を作成することができないのである。


また、従者が存在しているシーンでは作成者のあらゆる判定にマイナス3の補正がつく。忘れやすいので注意すること。


長々と書き連ねてきたが、これで終わりである。


ここまで長くなっている時点で察しがつくと思うが、つまるところ従者型というものはこんなにもややこしい特殊ルールを持っているのである。


ルール確認するの面倒くさいから読み飛ばしたという者は、残念ながら従者型を作るのに向いていないので諦めるのが吉である。従者型は茨の道なのだから、わざわざやる必要は無い。それでも従者を扱いたいならイージーエフェクトの《裸の王様》を取るか、使用人を買おう。


ちゃんと読んだ、もしくはルールブックの説明をよく読んだ、という者は、これで従者型への道のりの1歩目を歩き出したということである。


おめでとう。

ここから先も地獄だぞ。

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