第16話 謎の女リターンズ

第16話に入る前に言っておかなければいけない事があります。

前回第14話を投稿しなければいけない所を間違えて、第14話飛ばして第15話と投稿していました。

既に訂正済みですが、14話が飛んでた状態になっていましたので、読めていなかった方はお手数ですが14話もお読みいただけるとありがたいです。



↓↓↓ここから第16話です↓↓↓



俺はアルジールと共に町を歩いていた。


群れとはいえゴブリン相手に準備を整えるという考えには至らない。

そもそも俺は異次元空間に手さえ突っ込めば、大概の物は入っている。

準備などしなくても依頼任務前の一流冒険者以上に常に準備万端なのだ。


町を歩いてると見たことのある顔を見つける。

昨日のプリズンに絡まれていたF級冒険者の美女だ。


「あ、昨日のお姉さん」


それに気づいた女はこちらに気づくとぺこりと頭を下げる。

プリズンに暴言を吐いていたので見かけに関わらずファンキーな性格の持ち主かと思っていたが、そこまでではなかったらしい。


「昨日は大丈夫だったのですか? あの醜い男、一応はC級冒険者だったようですが、貴方たちはF級冒険者でしょう? なんだか面倒だったので、途中で帰りましたが」


女は俺たちのプレートと初心者装備見てそんなことを言う。

改めて俺も女の事を確認すると、結構いや、かなりエグイ装備をしていることに気づく

(竜鱗の鎧にアダマンタイトの細剣か。当然みたいに魔法装備だな。金を出せば買えるってもんでもないな、これは)


A級か下手したら勇者クラスに届きそうな装備をしている女に俺は訝しむ。どう考えてもF級冒険者がするような装備ではない。

ていうかやっぱ性格悪いな。

プリズンがC級冒険者だと分かっていて、面倒だからと俺たちをほうって帰ったとか。


あの時のC級と知っていたプリズンへの口ぶりと装備から見るにF級だがC級であるはずのプリズンよりは強いと思われる。


「噂を知りませんか? 冒険者協会で結構噂になっていたみたいですが」


噂とはF級冒険者がプリズンを倒したという噂だ。

あの噂を聞いていれば自分に絡んでいたあの男がプリズンだと気付きそうなものだが——


「噂? 知りませんね? ……一応どういうものか教えてもらえますか?」


あ、一応興味はあるのね。

俺はあの後、プリズンをのした事、それが噂になっていることを女に伝えた。


「そうだったのですか。あなた本当に強かったんですね」


特に話を膨らませるわけでもなく、あまりそうは思ってなさそうな感じを出しつつ女はそんな事を言う。


「じゃあ、これで」


女はぺこりと頭を下げて、俺たちの前から去って行った。


「変な女」


女が見えなくなってから俺はそう呟いた。


「そうですか?」


アルジールがそんなことを言う。

まぁこいつもいきなり始末するとか蹂躙しましょうとか言い出すやつだからな。

面倒だから助けてくれた男を放置して帰るくらいは可愛いもんか。


「おい、アールどうした?」


アルジールは女が去っていた方向をずっと眺めている。まさか……。


「お前、まさか今の女に惚れたのか? 確かに美女だが、アレはやめとけ」


美女なのは間違いない。だが、性格は結構ヤバめだ。

あ、でもそれだとお似合いなカップルになるのか? いやでも。うーん。

俺がつまらない事に悩んでいるとアルジールは言った。


「いえ、そういうわけではないのですが、……あの女どこかで」


アルジールはそんなふざけたことを言う。

あんなインパクト強めの人間に会った事があればすぐに気づくだろう。

俺が転生してきてインパクトの強かった女などエリーゼくらいのものだ。


「気の所為だろ。あんな女ほっとしてさっさと行くぞ」


俺達はヤバメな女のことはほってゴブリンの洞窟に向かうのだった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る