19.感情の出処
込み上げてくるこの感情は誰のものだ?
一体どんな理由からそれは決まるのだ?
――それは怒りをはじめとする諸諸の感情の出処に立つことが許されている人物・・・
ではそれに適うのはどこの誰?
自分ではないかと思いたくなるのをどうにか堪えて挙げた手をしぶしぶ下げるこの私
きょろきょろと辺りを見回しがてら諸諸の感情の出処も探ってみる又この私
努努思いはしなかったとどこぞの誰かが話しているのが聞こえてきた
嗚呼やっぱり自分ではなかったのかと項垂れるのもさてはて何度目のことか
涼しい風に吹かれ涼しい顔を取り繕う
込み上げてきたよく分からない感情が歩みを遅くする
遅遅刻刻と時の経つのも遅く感じられる今日この頃
夢見心地とはどこか違う夕闇に魅せられとうとう歩みを止めてしまう
途端に嗚呼やっぱり自分ではなかったのかと最も思い出したくなかったことを思い出してしまう
満を持してため息を吐いた時これも感情の出処の一つかもしれないと口元を綻ばす今この私・・・
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