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会いたいと思ったときに会えないのが死んだということなのだ
顔を見せようと思ってもそれができないのが死んだということなのだ
(そうなのだ そうなのだ・・・)
こうして噛みしめることしかできない人の死を どうして胸に仕舞えるだろう どうやって心に留めておけるだろう
人の死を胸に仕舞ったら途端に張り裂けてしまう
人の死を心に留めておくことなど無理に決まっている
時間が何かを叶えてくれることはない
過ぎていくだけ 流れていくだけ でも確実に 着実に・・・
今生きている者たちでしか分かち合うことはできないから
胸に仕舞えない悲哀を 心に留めておけない寂寥を 物言うことで誤魔化す
「死んでしまった もういない・・・」
どんな話をしていても そんな言葉が意図せず出てくる
自分でも気付かず 誰もが目を伏せる中 滔滔と同じ言葉を繰り返す
けれど次の瞬間には別の話をしている いつもの何気ない話 他愛のない会話――
そうしてまた悲哀を 寂寥を口にし 誤魔化しきれないその感情に疲弊していく
忘れることのない思い出と共に今日も眠りに就く
それきり目覚めずとも 夢の中で会いたかった人に顔を見せられたなら もう思い残すことはないと・・・
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