8.嘆諾

死ぬのが怖い僕はつまりは不死を望む

けれどその望みはこの世界でこそ意味のあるもの

この世界ではない例えば何も創造されない世界

この世界ではない例えば誰も誕生しない世界

そんなような世界で叶う不死には何の望みも抱けない


死ぬのが嫌な僕はひたすらに命を乞う

けれどこの世界のどこにも

ましてこの世界に限らずどこにも

命を与える者はいないのだからそれを乞うなど筋違いでしかない

そんなような世界でそれでも命を乞うのは

今日も命が理不尽に奪われようとしているから


死んだらおしまいだと嘆く僕がいて

死んだらそれまでだと諾う僕もいて・・・

そこから導き出される答は僕の中に死がいるということ

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