2.ノン・フィクション

死をフィクションのようだと思った


だからその人が

その日その時までこの世に居たことなど

嘘なのではないかと


でもその人と

その日その時を境にもう会えないことは

嘘であってほしいと


「確かに居たその人とはもう会えない」


確かに居たという事実

もう会えないという事実

喜ばしくも侘しくも

死がフィクションではない証拠


嗚呼・・・


誰かの手によって

作られたものじゃなくてよかった

誰かの手によって

書かれたものであってほしかった

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