「詩集 永劫」(12月)

舞原 帝

1.悲しいだけ

この世は悲しいだけ

だから生まれない方がよい

生きない方がよい

どんなに楽しい思い出を作っても

いつか必ず死んでしまうのなら悲しいだけ


夢にあの人が出てきても

夢の中であの人の名を呼び

手を握り確かな温度を感じ

ついにまた話せたとしても

夢から覚めてしまうのなら悲しいだけ


もう一度生まれたいとは思わない

もう一度生きたいとも・・・


大切な人が死ぬ世界なんて

そんな悲しい世界に

どうして生きなくてはいけないの?

何のために生まれなくてはならないの?

大切な人が死んで

向き合える筈なんかない

乗り越えられる訳なんかない

ただただ悲しいだけ

なのにどうして・・・?一体何のために・・・?


もう二度と生まれたいとは思わない

もう二度と生きたいとも・・・


この世は悲しいだけ

生まれない方がよい

生きない方がよい

大切な人が死んだことを

いつまでも悲しんでしまうばかりだから

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