第13話
高校に入学してから半月が経った。
桜も散り、新緑が芽生える季節になった我が名古屋東高校野球部の練習は日に日に厳しくなった。と言うのも、女子マネージャーが入ってきた頃と同じくして、朝練が始まったのだ。平日は毎朝7時半から1時間ほど軽い練習を行う。そして放課後は毎日3時間以上にわたり、厳しい練習が続くのだ。
小林監督の指導は熱く、練習でミスをしたら容赦ない追加練習が課せられるほどだった。で、激しい練習をしてきた俺の体は当然、クタクタ。夜遅くにやっと帰宅すると、紗奈が「優太、疲れているんでしょ?だったら毎日、マッサージしてあげる♡」と言ってくれるのが救いだった。・・・しかし、紗奈がやるマッサージは、めっちゃ気持ちいいな。
そんなこんなで、4月も後半戦に入り・・・
「突然ですが、次の日曜日に紅白戦を行います。なお、紅白戦のチーム分けは土曜日に発表します」
小林監督はグラウンドに集まった部員を前に、そんなことを言ってきたのであった。当然、部員は困惑。「まだ高校の練習に慣れようとしている段階なのに、実戦は早過ぎます!」と言う声があったが、小林監督は、
「一部のメンバーを除いて、まだ横一線の状態なの。それで一度、実戦を見て誰が使えそうなのか判断したかったから」
と部員に言い返した。
◇ ◇ ◇
そして迎えた日曜日。
朝の9時までには、部員全員が集まっている。遅刻をすると容赦なく試合に出られないため、みんな必死である。そして、小林監督が全員集まっていることを確認すると、全員で一礼をし、準備運動をみっちり行う。そしていつも通り、練習が始まる。今日は紅白戦があるとはいえ、午前中は通常通りの練習なのだ。
この日の練習は、直後に紅白戦があるため、あまり無理をせず、試合前の軽い調整練習だけだった。俺はバッティング練習と外野の守備練習を行った。そして午後12時、昼食の時間に入る。今日も山盛り弁当だ。
午後1時。昼食を食べ終えると、部員全員が一度グラウンドに集合し、各自準備運動と試合前のウォーミングアップを行う。そしてアップが終わると、両チームのメンバー交換を経て、いよいよ紅白戦が始まる予定となっている。
ちなみに俺は、紅組のスタメンで4番センター。なお、紅組は
そして午後2時、この試合で球審を務める小林監督の「プレイボール!」という掛け声とともに、レギュラー争いの前哨戦となる紅白戦が始まった。
◇ ◇ ◇
STARTING LINEUP
紅組(先攻)
1番
2番
3番
4番
5番
6番
7番
8番
9番
紅組ベンチ入り
白組(後攻)
1番
2番
3番
4番
5番
6番
7番
8番
9番
白組ベンチ入り
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