エデンサイド Ⅱ

第三章 第九話 レイカ

 闇が晴れると、ケイは見覚えのある場所にいた。

 冷たく、広い空間。不安定な電灯。ノイズだらけのアナウンス。

 ――戻って来た、と確信する。確信せざるを得ない。


 だって、破壊されたエレベータシャフト手前の床の上には、紺のブレザーの袖口を纏った、白く細い手首がそのまま残されていたのだから。


「うーん……ここは一体どこなんだろうね? ケイ、何が起こったか分かるかい?」


 直後、すぐ脇に人の身じろぐ気配と、飄々とした声がした。


「ら――ラキ!?」


 なんとそこにいたのは、帽子のつばをつまびくようにしながら当惑しがちにあたりを見回す、ラキの姿だった。

 馬鹿な。転移して来たのは自分だけではなかった。


 どういうわけか――連れて来てしまった。ラキまで……!


「……その様子だと、心当たりがあるみたいだね。良かったらボクに、教えてくれるかな」

「……あ、ああ、もちろんだ……」


 嫌な汗を背中に感じながら、ケイは転移に関して説明した。

 そして銃――いや、もうはっきりしただろう、この転移装置のタイムは6時間に増えている。

 前回のパターンを思い返せば、やはり転移するとエネルギーのほとんど全てを使い切ってしまうのだろう。

 ロビーの大時計を見れば、時刻は午前0時。

 あちらから転移したのは深夜に差し掛かるかどうかくらいだから、恐らく時間凝縮もそのまま起きている。

 異世界人であるラキも例外なく、時間凝縮には巻き込まれるのだ。


「こんな時でなければ、ぜひ見学したかったんだけどね……異世界の、それも科学がとんでもなく発展した場所なんて、知的好奇心が刺激されて仕方ないのに」


 おどけたようなセリフだがさしものラキも、空が閉ざされ死臭の満ちるこの陰惨な空気感は敏感に察しているようだ。難しい面持ちで思案するように額へ指を置く。


「こんな事になってすまない……本当なら、俺一人で戻る予定だったのに」

「気にしないでいいよ。事故みたいなものでしょ。それより、これからどうするつもりなんだい? キミの話では、離れてしまった相棒を捜すつもりらしいけれど……」


 ケイは頷き、アンの手首を拾い上げる。――少なくともこれを、放置などできなかった。


「下へ降りて、アンを見つけたい。無事を確かめたいんだ。……そうでなくても」


 その結末を見届ける義務が、ケイにはある。後の事は後の事だった。


「そっか。それならボクも一緒に行くよ。いい?」

「いい……って、いいのか? ラキは別に、関係ないのに……それに、ここは危険なんだ」

「今日の昼間、同じ事を言って、それでもついて来たのはどこの誰かさんだったかな?」


 ウインクされて、口ごもる。

 それは確かに、彼女が来てくれれば嬉しいし、頼もしい。


「真面目な話、ここで置いて行かれても困るんだよね。ほら、時間凝縮とかあるんでしょ」

「ああ、そういえば……悪い、なんか頭ぐちゃぐちゃで、自分の事ばっかりで」

「来ちゃったものは仕方ない。お互いに協力して、生き延びようじゃないか。ほら」


 と、ラキが杖を振って風の精霊を呼び出し――巻き付く風が、二人ともを空へ浮かせる。


「うおっ……」

「これで下まで一気に降りよう。さあ、異世界探検の始まりだ!」


 と、風に乗せられてシャフト内をぐんぐん降り始める。

 こんな状況でもいつも通りのラキには励まされるし、こちら側でも普通に魔法が使えるなら、できる事も多いはずだ。


「でも、ここには魔力がないみたいだね……こんなの初めてだよ」

「魔力がない、って……どういう事だ?」

「魔力は世界に漂う魔法を使うためのエネルギーでね、それを魔法使いは身体に溜めて、消費する事で始めて魔法を行使できるんだ。だけどこの星には――世界にはどこを探しても、魔力そのものが存在しないみたいなんだ……魔力体の精霊達も苦しそうで辛いね」

「うまく呼吸ができないみたいなもの、か……?」

「うん。魔法を使っても、大気中の魔力を吸えば自然と回復できるんだけど、ここにはないから……使いすぎには注意だね。魔力が枯渇すると、魔法も何も使えなくなるから」


 ならラキが魔力を回復させるには、元の世界まで戻らなければいけないが――どうにか彼女一人だけでも戻す事はできないだろうか。


(銃さえチャージできれば、もう一度転移、できるか……?)


 考える間に最下層が見えて来るが、ぺしゃんこに潰れた昇降装置が残っているだけだ。

 しかし通路へのドアは強引にこじ開けられ、床を点々と赤い液体が奥まで続いていた。


「アン……ここを進んで行ったのか? かなりの出血量だが……」

「キミが転移した時点から現在まで、三日は経過しているんだ。発見には根気がいると思った方がいいね」


 その通りだ。時間凝縮までのタイムリミットも含め、時間が経てば経つほど合流は難しくなるだろう。

 ケイとラキは血痕を辿り、歩き始める。通路は暗がりだらけだが幅は広く勾配があり、タイヤの跡もある事からこのあたりはよく車両が通過する、運搬口のようだ。

 物音一つしない長い通路を歩いて行くと、遭遇は突然に起きた。

 カチッ、カチッ、と針の音がしたと思った瞬間、真上の狭い通気口から三体もの時計頭が這い出して、ちぎれた肉を垂らしながら眼前の通路へ落ちて来る。


「っ……と、時計頭……!」

「あれが、件の時計頭という奴らかい? ケイは危ないから下がって、ここはボクが――」


 ラキが素早く杖を構えた矢先、またしても唐突に銃声が響き渡った。

 驚く二人の前で、横合いの通路から撃ち込まれて来た大量の銃弾が、時計頭達に浴びせかけられたのである。


「な、なんだ、銃撃……!?」


 時計のみを狙った精密な一斉射撃は敵を次々と地に伏させ、迅速に沈黙させる。

 すると曲がり角から、アサルトライフルを構えた黒のストレートロングヘアの女が歩み出て来た。


「生存者ね。怪我はない?」

「ったく、こんな所にも巡回型がいるとはよ。いよいよこの辺もやばくなって来たな」

「だがその前に排除できたんだ、今はそれを喜ぶとしようじゃないか」


 と、その後ろから武装したサングラスをかけた金髪の男と、白髪交じりの青年も現れる。


「あ、あんた達は……一体?」

「私はレイカ。こっちはマイクとハヤト。……一応警備隊の生き残りだけど、今となっては組織の肩書きなんて形骸化してるわね」


 深々嘆息する、レイカと名乗った女。それと二人の男は共に紺のジャケットを着ており、手慣れた戦い方からもそれを裏付けるものが窺える。


(……あれ。レイカ……って、まさか)


「……ねえ、あなた。そのジャケット……どこかで見覚えがあるんだけど」


 違和感を覚えたのはレイカも同様だったらしく、ケイはそれで自分の考えが正しいと悟ってしまった。


「……あの、もしかして。シロガネ・レイカさんですか……?」


 レイカの目が見開かれた。

 ケイは平静に務めながらも、シロガネの最期について伝える。

 クールでスレンダーな美人といった印象だったレイカは、語り終えてからもじっと俯き。


「れ、レイカさん、大丈夫かい?」

「そうか……シロガネさんは、とても立派な人だったんだな。一度会ってみたかった」


 マイクとハヤトも、各々に反応を示している。ケイはいたたまれず立ち尽くしていると、レイカは深呼吸をして、気持ちを切り替えるように長い髪をかきあげながら顔を上げた。


「……大丈夫よ。それにこんなところでへこたれたら、父に叱られてしまうわ。――勇んで出て行っておいて、ちょっと寂しくなったらそのざまか、ってね。だから……今は平気」

「レイカさん……あの、俺、このジャケット、返した方が……」

「いいえ。それは父があなたに貸したものでしょう。だったら……できればあなたが持っておいて欲しいわ。それが父の、最後に残した意思と誇りだから」


 はい、とケイは神妙に頷いた。過ごした時間は短かったけれど、それでもシロガネが生きていたら、きっとレイカと同じように言うと思えたから。


「えっと、ちょっといいかな。アンって女の子に心当たりはないかい? アンドロイド、っていう存在らしいんだけど」


 しんみりした空気から本題へ戻そうと、それまで黙っていたラキが口を開く。

 すると。


「あれ――そこの姉ちゃん。そのカッコ……あんたひょっとして……ナリキラーなのか?」

「……ナリキラー?」


 マイクの問いかけに、あっけにとられて目を瞬かせるラキ。


「待って。アン、というアンドロイドなら出会ったわ。……あなた達、知り合いなの?」

「は、はい! え、ぶ、無事なんですか? 今どこに?」

「落ち着いて。アンからはもちろん、あなたの事も聞いている。見つけたら保護するように頼まれているのよ。聞きたい事は色々あるでしょうが、ここは危険よ、行きましょう」

「行くって……どこへ?」


 アジト、とだけ答えたレイカは、マイクとハヤトに目線を送り、それから元来た通路を進み始める。


「ちょっと歩くが、こっちに俺達の隠れ家がある。戦える奴、逃げ込んできた奴、怪我してる奴、全部含めて42人……いや、あんたらを含めてこれで44人か」


 どうやら、彼らが拠点としている場所へ案内してくれるらしい。

 断る理由はなく、ケイもラキと目を見交わせて頷き合い、三人へついて行く。


「あんた、凍結解除されたばかりだって? ろくな武器もなくよく無事だったもんだ」


 道すがら、マイクが気安く話しかけて来る。


「だが気をつけろよ。この辺には巡回型――見回って人間を探す偵察どもが多い。奴らを一体でも逃がせば最後、たちどころに強襲型っつーやべー連中が押し寄せて来てお陀仏さ」


 強襲型、とケイがおうむ返しにすると、反対側を歩くハヤトが答えてくれる。


「見た事があるかも知れないが、奴らの中には時計を複数個備えるタイプがいる。それが強襲型だ。基本、時計の数が多い奴ほど強い。そしてその種類も多岐にわたる」


 ケイも覚えがある。腕にボウガンをつけた奴。……針を撃って、アンを落とした。


「ふざけてんのは、奴らは別に殺人マシンでもなんでもなく、ただの作業用ロボットに過ぎないってとこだ。あいつらはエデンの命令で働きアリみたいにせっせとこの星を作り替えてる。俺達は脅威ですらない、単なる障害物程度ってわけだ……クソが」

「それと無人兵器も危険だ。単純火力でいえばあっちの方が上の場合もある――セントリーガンとか、無人ドローン。独立した機械以外は全部敵だと思った方がいい」


 独立した機械――確証こそないけれども、アン。彼女に対して疑う気持ちはもうない。


「ケイ……さっきの、ナリキラーってなんだい?」


 と、ラキが耳打ちするように尋ねて来る。


「……その前に変な事聞くようだけど。ラキはさ、今とは違う自分に憧れたりはしないか? もっと頭が良くなりたかったり、もっと強くなりたかったり」

「どういう……事かな? 話がよく見えないんだけど」

「今の自分に飽き飽きしたり、嫌いだったり。……そういう風に考えた奴がいて、それで、ある研究機関に手術を受けに行くんだ。――転生手術、っていう」

「転生……手術?」

「その手術を受けると、全ての記憶や人格、家族を失う代わりに、新しい自分になれるんだ。イメージした通りの記憶、人格、経験。政府からは望んだ戸籍や家庭が与えられて、新しい人生を生きる事ができる。……それが、転生手術」

「ちょっと……よく分からないな。だってそれまでの自分や、大好きな人、大切な場所とは、永遠にお別れになっちゃうんでしょ? そんな手術……本当に受ける人がいるのかな」

「それが……結構いたんだよ。憧れたアニメやゲームの主人公になったり、映画の設定を詰め込んだ人格や技術を得てドラマティックな人生を歩んだり……そういう設定は本当に自由で、理想通りの完璧な自分がもらえる」


 だから先進国からは続々と人が集まって、CMやグッズ、テーマパークまで作られて大々的に宣伝され、社会現象になった。


「脳をいじる手術のせいか、手術を受けた人は新たな能力を得る。超能力だったり、天才的な頭脳だったり……そういう人は脳力者って言ってもてはやされてたけど、急に人格が不安定になったり、寿命が減ったり……能力を利用して悪事を働く者も増えた」


 政府の法整備が間に合わず、犯罪に走り社会問題を引き起こす彼らを蔑みと畏れを込めて、ナリキラーの通り名がついたのである。


「でも……今はラキにはそれで通して欲しい。まさか本物の魔法使いだなんて言って、みんなを混乱させるわけにはいかないから。嫌な気持ちだとは思うけど」

「ううん、話してくれてありがとう。確かに……手放しでは喜べない通称だけど、それでガンガン魔法が使えるなら、この際通り名なんて構わないよ」


 ただでさえ熱暴走賢者とか、ガンギマリ御用達薬剤師とか、みんなからはさんざんな言われようだからね、と茶化してくれるラキに、ケイもほっと気が楽になる。


 拠点へ続く通路には幾重ものバリケードを構築してあった。

 何列もの車やコンテナはもちろん、電流の流れている鉄線の柵。

 さらに奥には通路を塞ぐように巨大な銃口を備えるミニガンが三脚に据えられていて、そこを越えた先に大きな車庫が見えて来た。


「セントラルエデンパーク最下層部の、物資運搬用の地下通路奥……ここに籠もってからもう三ヶ月になるわね。――私よ、開けて」


 シャッター前に立ったレイカが声をかけると、重厚な稼働音を上げてシャッターが開いていく。

 中から光と人の声が漏れてきて、ケイ達は寒い通路から暖かい内部へ招かれた。

 車庫内はなんとも雑多に人々が休息を取っていた。プレハブ小屋やブルーシートを使った簡易的なテント、あるいはダンボールでブースを作り、コンテナも蓋を外して出入りができるようにして、休むと同時にプライベートを確保してある。

 多くは明るい光源のある外でたむろし、燃えるものを入れたドラム缶の前に集まって暖を取っていた。


「ひどいな……まるで難民キャンプだ」


 相当の期間堪え忍んでいるのか彼らは痩せこけ、虚ろな目で虚空を眺めたりぶつぶつ独り言を呟いたり、年端のいかない子供達は隅に集まり怯えるようにしている。


「アンは一番奥の非常口横のプレハブ小屋にいるわ。私は用があるから」


 分かった、と頷くと、今度はラキが。


「ボクもちょっと見て回って来ていいかな? せっかく生きてる人達と会えたんだからね」


 ラキらしい言葉を残し、迷路のような車庫へと入り込んでいく。

 と、入れ替わりのように、銃を背中に下げた男達が集まって来た。疲労の色が濃く、頭や腕に包帯を巻いている。


「レイカさん、もう限界だ。食料と水が尽きかけてる。それに病人も多い、これじゃいずれ干上がっちまう……っ」

「こうなったら、少々無茶しても上層へ行くしかないんじゃないか? 上にはツアー客用のデパートやホテルがある。食料はもちろん、衣料品や医薬品も潤沢に手に入るだろう」

「しかし怪我人だらけだ、誰が行く? 万一非常口を潰されたらおしまいだぞ……!」


 周囲の人々から怯えた視線を向けられるのも構わず、議論は紛糾するばかり。


「みんな、生存者が医療区に集められているという通信は覚えているかしら?」


 レイカが口を開いた。

 その一声に諍いは一旦収まり、いくらかの頷きや肯定が返される。


「今の私達が自発的に動くのは難しい。でも、放送をかけて来た以上その何者か――ないしは組織は、私達のシグナルを正確にキャッチしているはず」


 これにも、少し不満げだが頷きが返ってくる。レイカは迷いのない目つきで言った。


「だったらいずれ、助けが来る可能性は高いわ。向こうも人手を必要としているなら、私達に死なれるのは都合が悪いはずだもの。――だから今は待ちましょう。耐える時よ」


 救助がいつになるか分からない。それでも、と訴えるレイカに、男達は苦悩するように、あるいは悔しげに、それぞれ諫め合うように頷き合い、持ち場へ戻っていった。


(大変なんだな……レイカさんも。せっかく生き残ってもこんな状況じゃ、無理もないか)


 その光景を見届け、ケイも車庫を進み奥のプレハブ小屋へ向かう。

 そしてドアを開けた。


「あ」


 見覚えのあるブレザー姿。そして色のない無表情な双眸と、目線が噛み合った。

 あんまりにもあっさりした再会だったので、畳の上に置かれたパイプ椅子に身を預ける少女を穴が空くほど見つめ、しばらく馬鹿みたいに口を開けて固まってから。


「……アン!」

「はい。アンです。ケイ、無事でしたか」


 やっぱり脱力するくらい無感動な声音で、アンはそう応じた。

 何事もないかの如く座っていたため最初は気づかなかったが、左腕の手首あたりから先がなく、スカートから伸びる両足に至っては見るも無惨に引きちぎれており、表皮が破れて内側の骨格が露出し、その部分もところどころ欠けて火花めいた電流を放っている。


「大丈夫……なのか? それ……」

「損傷率29パーセント。ただいま修復機能を稼働させています」

「よく分からないな……どれくらい悪いんだ」

「腕とか足がめっちゃ痛いです」

「そ、そうか――あ、そうだ、これ」


 ケイがジャケットに突っ込んでいたアンの左手を取り出し、おずおずと差し出してみるとアンは淡々とその手首を受け取り、切断された左腕へ押しつけるようにし、数秒待つと。


「接合率70パーセント。任務遂行に支障なし……ありがとう、ケイ」


 顔の前でその左手首をくるくる回し、手のひらを開閉させて見せる。ケイは安堵した。


「それでケイ、あなたの身に何が起きていたのか、説明を願えるでしょうか」


 そうだな、とケイは頷き、これまでの事をつぶさに伝える。

 ――改めて整理すれば、正直自分でも信じられない出来事の連続だった。なのにアンは変わらず淡白で。


「異世界に転移する銃とはそれなりに興味深いですね。何か名称でもつけてはどうですか」

「一応、な――時間銃。時間を操るから、時間銃」

「転移関係ないしすごく安直ですね」

「うるさいな……」

「何にしても、あなたがしぶとく切り抜けていたおかげで私の任務も続行できそうです」

「なら良かったけど……なんか気が抜けたせいか、少し、疲れたな」

「仮眠を勧めます。今後の方針は目覚めた後に考えれば良いでしょう。私はここにいます」


 というより動けないのですが、と皮一枚でつながったような足をぷらんと揺らす。

 あの負傷が癒えない限りは、敵と戦うのは難しいだろう――ケイは畳の上へ横になりながら、それでもこうしてアンが近くにいて見守ってくれているという事に、不思議と安心感を覚えていた。


「じゃあ、ちょっとだけ寝る……何かあったら起こしてくれ」


 目を閉じる。アンの足から聞こえる駆動音を子守歌代わりに、意識は遠ざかっていった。

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