8章 覚悟のない男
二人が意識を取り戻さないうちに、軽く自分の体を洗った。”意識のない女の子たち”を洗うには抵抗があったが、軽く汗を流す程度にそっと洗うことにした。意識のない女の子の体を直接洗っている最中に再び下半身がとても熱くなったが意識しないようにした。男とは違う肌の感触に少しの感動を覚えながら洗い終えた。浴場の中とはいえ、裸で放置するのも気が引けるため、二人とも一緒に風呂へと浸からせた。
「ん〜。やっぱり癒されるなぁ。」
少しの身じろぎの後、唯璃が目を覚ました。すごく動揺が伝わってきたが気にせず、正面から抱きしめた。
「唯璃、大丈夫か?」
「えっ、これはどういう状況ですか兄さん?説明してくださいよ、手短に。」
「たいしたことはしてないぞ、唯璃。唯璃が気絶しちゃったから風邪を引かないように、軽く体を洗ってからお風呂に浸かっているだけだぞ?特に変なことはしてないぞ。」
「に、兄さん!私の体だけでは飽き足らず他の”女の人”もお風呂に誘ったんですか?私はお邪魔ですか?」
「何を言ってるんだ、唯璃?」
「だ、だって意識がさめたらすぐ近くに兄さんの顔がすぐ近くにあるし、見慣れない”ナイスバディな女の人”が裸で一緒にいたら、びっくりしますよ!」
「それは悪かった。唯璃と”あの娘”は後で入ればよかったよな。気が利かなくて悪かった。つい、三人で風呂に入ったほうがいいなんて、安直な考えで悪かったよ。」
「ちょっと待ってください、兄さん?”あの少女”とは?」
「あぁー。実はな、唯璃をお風呂に連れて行ってから、”少女”も風呂に連れて行こうと服を脱がしたらな。思った以上にスレンダーでな、体型がいいことを知ったんだよ。脱がした後から、再び見ると幼さが抜けて同い年くらいに見えたからすごいビックリしたさ。」
「ちょっとどころの騒ぎではないのでは?」
「気のせいだろ?それに、実際におっぱいが大きいっていったって触れなければ意味ないよ?」
「変態ですね兄さん?あれ、でも私の体だけじゃなくて”彼女”の体も洗ったっていってませんでしたっけ?」
「そうですね。」
「柔らかくて気持ちよかったですか?」
「あんまり柔らかくはなかったよ。唯璃のおっぱいはハリがあって、適度な柔らかさでずっと触ってたいなぁって思うほど気持ちよかったけど〜。”彼女”のはそうでもなかったよ?」
「それはそれは、兄さんに喜んでもらえたのならとても嬉しいです。でも、意識がない”女の子”のおっぱいを触るのはどうかと思いますよ?」
「わかったよ。」
「少しは反省してくださいね?兄さんは良かれと思ったのだと思いますけど、知らない人から見れば”少女暴行”と変わらないんですからね?もう二度とこんなことしないでくださいね?私たちが意識を失ってしまっているのも悪いことですけど、兄さんも気をつけてくださいね?私にとっては、ご褒美なんで意識があるうちにやってくれると尚いいです。」
「それはそれで、ハードル高いよ。」
「とか言いつも、絶賛私のおっぱいを手ブラしつつ、優しく揉みしだいている時点で何も問題ないと思いますけど?」
「なんですとー!あっ、ごめん。全くの無意識だった。つい柔らかくて揉んでしまいました、申し訳ない唯璃。」
「別に大丈夫ですよ。私としても、兄さんに気に入って貰えたのが嬉しいので触ったままでいいですよ?」
「あれぇー?そういえば唯璃、さっきまで正面にいたはずなのに場所が変わってるね。どうしてかな?俺と見つめるのは嫌だったかな?」
「別に嫌ではありませんけど、そういう事は二人っきりの時にお願いします。今日は、”三人”で入浴しているんですから、自重してください兄さん?」
「わかったよ。その代わり、唯璃を後ろから抱きしめさせてね?」
「でも、兄さん?私に聞く前から、抱きついてましたよね?どうしてですか?」
「深い理由はないよ。ただ俺にとって”大切な人”を失いたくないって思っちゃったからなんだよね?兄妹で気持ち悪いよな?今日だけにするからさ。」
「これからも遠慮することはないですよ、兄さん。これからも私に甘えてください。」
「なんか唯璃が急に年上に見えてきたよ。」
「失礼ですよ兄さん!私はまだそんな老けてません!」
「悪い悪い!物のたとえだよ。それよりさ、唯璃?俺のことは名前で読んでくれないの?」
「な、何を言っているんですか!それはまだ無理です!ハードルが高いです。」
「そんなことないと思うけどな?俺的には、裸の付き合いをしたり、一緒に寝たり、腕を組んで歩くほうがハードルが高い気がするんだけどな。むしろ、お互いの裸を見せ合って抱きついてるのは大丈夫なのにおかしくない?」
「おかしくはないです。今はまだ、兄さんと呼ばせていただきます。」
「しょうがないか。別に強制はしないし、唯璃に無理してやってもらうのも気が引けるから覚悟が決まったら待ってるよ。」
「今日はもう混浴だけで満足なんで、一緒に寝なくて大丈夫ですよ、兄さん?」
「何言ってるんだ、唯璃。今日からお前は俺の物だ。勝手に一人で寝るなんていうなよ。俺のそば以外ありえないぞ?」
「もう兄さんの馬鹿!いつもはヘタレで鈍感のくせに、自分の気持ちに気づいてからは大胆なんて都合が良すぎませんか?でも、兄さんからそんなことを言われてしまったら、私も断りはしませんよ?これからもよろしくお願いします兄さん。それと、これから私を大切にしてください。」
「まかせとけ。唯璃を悲しい目になんて合わせないから、心配するな!」
「兄さん!」
「ん!」
唯璃が突然振り返ったと思ったら、自分の唇を俺の唇に重ねてきた。俺にとってのファーストキス。口と口が触れ合うだけのフレンチキスであった。しかし、
「クチュクチュクチュクチュ」
「ん〜はぁ。はぁはぁはぁん〜」
唯璃からのキスは、フレンチキスだと思ったのは最初だけでそこからすぐにディープキスになっていた。唯璃に思いを告げてから、かなり大胆なエロい女の子にジョブチェンジしてしまったかのようだ。しばらく、唯璃の満足のいくまで唇を重ね続けた。
次回からいよいよ話が少し進みます。どうぞみなさま楽しみにお待ちくださいませ。
人選ミスで勇者認定された俺は医者になる 色即ダルセーニョ @shikisoku
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。人選ミスで勇者認定された俺は医者になるの最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます