7章 二人の桃源郷

「やっと着いた〜」


「お疲れ様です、兄さん!その子はまだ意識を戻しませんか?」

「あぁー、まだ起きそうにもない。さて、唯璃どうする?」


「どうしましょうか?」


「うう〜ん。しょうがないから唯璃その子の身ぐるみ剥いじゃって」


「なな!なんてこと言うんですか?私に変態になれと?」

「そうじゃないけど。とりあえず、今からみんなで混浴するからさ。その下準備だよ?」

「えっ?今からですか?心の準備がまだなんですが?」

「今更じゃない?」

とりあえず、俺たちが先に裸になるのが先かな。唯璃が今更、ためらってるしな。


「それよりも唯璃?」

「な、なんです兄さん?」

「なんでまだ服着てるんだよ?早く脱げよ?」


「い、いきなりですか?ちょっとまだ、ハードルが高くないですか?」

あれぇ〜、朝のノリと打って変って唯璃が塩らしくなってる。さっきまでの唯璃はどこへ言ったのやら。


「に、兄さんのいる前で服を脱ぎたくありませんので兄さん一度出てってください!」

「なんでだ?今から、風呂に混浴するのに今更だろう?」

「それは、そうですが。」


「そんなに脱ぎたくないのなら、俺が脱がしてやるよ」

「恥ずかしいです兄さん。」

「今更、嫌いになったりしないから逃げんなよ?いいか?」

「はい。兄さんの好きにしてください。」


「そんなかしこまらなくいいんだぞ?ちょっと、服を脱ぐのを手伝うだけなんだからな。」「わかりました。では、お願いします。」

「い、いくぞ?」


俺は、少し緊張しながら唯璃に近寄った。唯璃から女の子特有の香りがほんのり鼻腔をくすぐる感覚がする。近寄ってみれば見る程、可愛い女の子だと自然と意識してしまう。

まず、上着を脱がす。ワイシャツ姿になったところで、少し緊張してきた。


…やばい、心臓の鼓動がやけに大きく聞こえる。今まで、”義妹”としか思っていなかったのに、昨日から”異性の女の子”として自然と意識しまう。なんかすごく可愛いく感じる。考えば、考えるほど手の震えが止まらない。


俺の緊張が通じたのが、唯璃が上目遣いで見てきた。妙に、顔が緩んでいる気がする。

唯璃に心配されるのも、申し訳ないので俺も覚悟を決めることにする。

唯璃の姿に見とれてる場合ではなかったなぁ。

早速、唯璃の服を脱がしにかかった。まず、スカートのジッパーに手をかけ脱がす。

スカートの肌触りに心地よさを感じるが、気にせずタイツを脱がしにかかる。


「ん〜」


唯璃のタイツを脱がす際に、唯璃の太腿に触ってしまったのか艶かしい声を聞かせてくれた。あまり、甘美なとろけるような声を出して欲しくはないなぁ。すごく気になってしまう。


次に、上着のワイシャツを脱がしにかかることにする。ボタンを一つ一つ外し、シワが寄らないように脱がしていく。唯璃が下着姿になってしまった。自分でした事だが、罪悪感もいっぱいだ。またしても、唯璃の姿にも見惚れてしまった。自分で脱がしにかかったからこそ、唯璃のスタイルの良さが余計に際立つ。


「兄さん、私に見とれてくれるのは嬉しいけど。寒いから、早くしてくれない?」

「ご、ごめん!早く脱がすから!」

「でも、丁寧に脱がしてくださいね?」


「あぁ」

唯璃を待たせてしまうのも悪いので、早速脱がしておくことにする。とその前に。

「唯璃、写真撮ってもいい?」


「えっ、今?」

「そう」

「いいですけど?私だけを撮るんですか?オカズのために?」

「それはない」


「唯理を後ろから抱きしめたまま撮りたいんだ。唯璃の下着verで。」

「しょうがないですね。兄さんが、私の体に興味を持ってくれたのが嬉しいので、いいですよ〜。ただ、早くしてくれると助かるんですが?」

「わかった急ぐからさ。唯璃を意識した記念がほしいんだよ」

「恥ずかしい事を堂々と言いますね!でも、嬉しいです兄さん」


「俺も、一応照れ臭いんだよ。さっさと済ませるぞ」

唯璃に確認が取れたので、早速行動を移すことにする。

「それで悪いんだけど唯璃?俺の膝の上に座ってくれないか?立って撮ると入らないかもしれないからさ」


「え?兄さんの膝の上に座っていいんですか?それじゃ早速座らせていただきますね」


ぷにぷにぷに

唯璃のお尻の感触が直に伝わるたびにとても気持ちいい。

…これは、早めに終わらせてたほうがいいなぁ。


パシャパシャ


なんとか記念の一枚を携帯に収めることができた。さてと、着替えに戻るか。あんまり”少女”を待たせるのにも悪いしな。思わず、唯璃にときめいてしまった。

「もうそろそろ、着替えをしようか唯璃?」


「………」

「唯璃さん?着替えない?早く風呂に入らないか?」

「……もう少しこのままでいいですか、兄さん?兄さんに抱きしめられてる感触を忘れたくないので。それに、兄さんに抱きしめられてると兄さんの事が大好きなんだと意識するので。ずっとこのまま、時が止まってしまえばいいのに。」


「ずっとは無理だ、唯璃。さすがに足が痛い。早く退いてくれると助かる」

「もう、空気が読めないですね、兄さんは。もう少し、甘えさせてくれてもいいのに」

「すまないな唯璃。でも、これからはそんな心配はいらないぞ?」

「どういう事ですか、兄さん?」


「これからは、なるべく唯璃のそばにいたいと思えるようになったからなぁ。今日から、寝るときもお風呂もずっと一緒だぞ」

「どうしたんですか、兄さん?何か変なものでも食べました?」


「はは、酷いな唯璃。これでも、唯璃のこと”女の子”として意識しだしたんだぞ?」

「随分とはっきり言うようになりましたね。私としては、嬉しいからいいですけど。大歓迎ですよ。そもそも、今まで近くで寝てましたし、今更じゃありません?」


「それもそうだけど、今までとは違うぞ。一緒のベッドで寝るって事だからな。しかも、ラフな格好でだ。」

「意外に積極的ですね。夜を楽しみにしておきます!」


「だからさ、唯璃?そろそろ、退いてくれないかな?早く脱がしたいんだけど?」

「追い剥ぎですか、兄さん!変態!」

「変態ちゃうわ」

「冗談言ってないで、早く入るぞ?」



先ほどまでは、唯璃の下着姿にドキドキしていたが今はほとんど感じない。全くドキドキしないわけではないが、唯璃との肌の接触を経て耐性がついたおかげかもしれない。

今回はあまり意識する事なく、自然とブラジャーを外し、パンツを脱がし終えた。



「ふぅ〜。時間がかかったな。ごめんな唯璃、ただの脱衣に時間かかっちまって。思わず、唯璃に見とれてたわ。」

「気にしないください、兄さん。それに、変に手慣れたように裸に剥かれても、逆に動揺します。私を意識しながら、行動してくれて嬉しいくらいです。」


「じゃ、俺も脱ぐな」

唯璃に声をかけてからすぐに、なんのためらいもなく唯璃の前で裸になった。

「それじゃー、入るか」

「ちょっと待ってください、兄さん。”彼女”の事を忘れています。」


「ああそうだったな。それじゃー今から、裸に引ん剥くか」

「ちょっと待ってください、兄さん。兄さんが屈むと兄さんの一物が、見られてしまうことになるのでなんとかしてください」


「やれやれ。じゃあ唯璃が栓をしてくれ」

「兄さんセクハラですよ」

「冗談だっつうの」


「……結局、上の口にしますか下の口にしますか?」

「唯璃さんエロいっすね。まあ半端ないっすわ」


「兄さんにエロいとか言われたくありません。でも、見知らなぬ人に兄さんの一物を見せるわけにはいかないので、私が握って覆い隠します。ついでに、優しく撫でて気持ちやすくさせてあげますね?」

「今は余計なことしなくていい!唯璃がおっぱいで俺の一物を挟んでくれれば、その間に”彼女”を引ん剥くからさ。」


「兄さんは、私にパイズリをして欲しいんですか?随分マニアックですね。別に、いいですけど。あとで、ちゃんと私のことも気持ちよくしてくださいね?」

「はいはい、ほどほどにな?」


唯璃をしゃがませ、”彼女”の服を丁寧に脱がして言った。本来の俺であれば、直視するのもできないであろうが今日はそういった感情に踊ろされることはなかった。結局、”彼女”の服を脱がせる間、今までの流れが嘘のように唯璃が物凄く静かにしていた。その甲斐あって、全裸にするまであまり時間は掛からなかった。


…ほとんど意識することはなかったとはいえ、”彼女”は相当のルックスだな〜。唯璃に負けず劣らずで、スタイルがかなりいい。唯璃の裸を先に見ていなかったら、戸惑っていた可能性が高い。それにしても、やけに唯璃が静かだな?



「大丈夫か、唯璃?」

「………」


なんと唯璃は俺の一物に顔をくっ付けながら、気絶していた。先ほどまでの威勢はどこへいったのやら。二人とも、意識がないようなので実にスムーズに風呂へと迎えた。ご丁寧に一人ずつお姫様抱っこで、風呂へと運び込んだのだった。

(意識のない女の子を二人、自分と同じ風呂に入れるという行為に、俺の息子はギンギンに固くなり体は熱を帯びていたのは内緒の話だ。意識しないようにはしていても、無意識のように背徳的な気持ちが込み上げてきて、興奮してしまうのは自分ではどうにもできないようだ。)






今回は、敷川兄義妹のラブラブシーンでしたが、いかがでしょうか?まだ稚拙な文章ですが、雰囲気を出せていたのなら幸いです。次回でも、この状況が少し続きます。どうぞお楽しみに。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る