5章 謎の少女
「どうすっかなこの娘」
「とりあえず連れて帰りましょう、兄さん」
「そうか、今日は自主休講にするか?」
「それはダメですよ、兄さん。無断で学校を休むのはいただけません!
「じゃあ、どうすんだよ唯璃」
「今日は、風邪を引いたということにしましょう。わたしは、兄さんの看病のため休むということにしておきましょう。」
「唯璃悪いなぁ。さすが、俺の自慢の義妹だ!」
「もうもうもう〜!兄さんの生殺し〜!」
「いやいやいや、何言ってんの。軽いジョークだっつうの」
「ブゥー、別にいいじゃないですか。これで、清々堂々兄さんとイチャイチャできます!」
「お前な〜。少しは抑えろよ。」
…とりあえず、俺ら義兄妹は揃って休むことになった。見た感じは、結構幼く見えた女の子だったけど、本当に年下かな?自分の背中に背負っている少女は一体何者なのだろうか?けど、今はそんな些細な事を気にしている場合ではない。背中に当たる二つの膨らみに至高の喜びを感じているのだから!だからこそ、女の子の年齢が気がかりで仕方がない。
もしや、俗にいうロリ巨乳ではないのだろうか。
「兄さん、気持ち悪いですよ〜」
「そ、そっか?」
「だって兄さん、顔がだらしないですもん。いつもの兄さんの顔じゃないです。すぐ近くに私がいるのに、そういう反応はやめて下さい!」
「ご、ごめん!」
「…まぁ、別にいいですけど。そんなに、オッパイが好きなんですか?
それともロリコンなんですか?」
「ロリコンじゃない!」
「ふりですか?」
「あのなぁ〜、そんなわけないだろう。外で大っぴらには言えないけど、オッパイは大好きだぞ?」
「変態ですね兄さんは。」
「お前が振ったんだろ?なんかひどくないか?」
「兄さんは、女の子を見た目で判断するんですか?最低ですね?」
何やら唯璃の目線がきつくなったように感じる。妙に、肌をさすってやがる。今日は、心地良い風が流れてるはずなのに、背中の汗が止まらず体が熱い。
「俺は確かに、女の子を見た目で判断するけど、唯璃は兄の目から見ても十分に可愛いいぞ?。誰にも渡したいとは思わないぞ!」
「兄さんずるいです。すごく嬉しいけど、なんか複雑です。せめて、義妹じゃなくて、”女の子”として見て下さい!」
「そのうちな。とりあえず、考えさせてくれ」
「兄さんが迷っている間に、私が兄さんを落としてみせます!私だけの物にします!」
「落ち着け、落ち着け!」
義妹を焚きつけてしまったようだ。これは反省が必要かもしれないなぁ。
「とりあえず家に連れて帰るけどいいか、唯璃?それよりも唯璃?」
「どうしたんですか、兄さん?」
「なんで一緒に帰ることにしたんだ?唯璃は別に関係ないだろう?そんなに心配しなくても大丈夫だぞ?」
「逆に心配です。」
「なんでだ唯璃?”彼女”を家に置いて、事情を聞くだけだぞ?何も楽しいことはないぞ。」
「そもそもです。兄さんが家に連れて帰ったとして、その娘にどうやって事情を聞くんですか?それに、その娘かなり汚れてますよ?今すぐ洗った方がいいレベルの汚れですよ?」
「まぁ、事情くらいすぐに話してくれるだろう」
「楽観しすぎです、兄さん。そんな事では普通の女の子は逃げますよ?私は逃げませんよ、むしろ兄さんに甘えたいです!」
「いやいや、唯璃のことは聞いてないから。でも、じゃどうすりゃいいんだよ」
「そのための私です!」
「なんか妙に自信があるような言い方だな。何か秘策でも?」
「当然ありますよ、兄さんには無理でしょうけど?」
「何を根拠に」
「女の子はどこの世界でも綺麗なのが一番なのは共通だと思います。だから、一緒に体を洗って事情を聞きたいと思います。」
「大丈夫なのか?」
「何がです?」
「確かに、”彼女”を綺麗にして話を聞くのは別に構わないけれど。唯璃は危険じゃないのか?」
「心配してくれるんですか?」
「当たり前だろう?素性もわからない奴に隙を見せるのはどうかと思うぞ?」
「じゃあどうすればいいんですか、兄さん?結局あまり解決になってませんよ?」
「だからなぁ、みんなで入れば解決じゃないか?」
「なぁっ、何を言ってるんですか兄さん!兄さんは私にいきなりアタックですか?すごい嬉しいです!やっと私の気持ちに気づいてくれたんですね?」
「何を言ってるんだお前は。事情を聞くために仕方なく一緒に入るんだぞ?唯璃を俺の手元で散らしたくないからなぁ〜。」
「今日、兄さんは”私の初めて”を散らしてくれるんですか?今日は記念日ですね!」
「いいや、違うから。俺が失いたくないのは唯璃の命だから。何を勘違いしてるんだ?」
「もう、兄さんってば照れ屋さんですね?私はいつでもウェルカムです。危険日だろうと、そうじゃない日でもどんと来いです!」
「あのな、とにかく”彼女”の件はそういう事で」
俺たちは、今日学校には通学せず、唯璃と登校中に見つけた少女を背負い、唯璃を気に掛けながら帰路につくのだった。
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