第7話大原の復讐

「ただいま」

「お帰りなさい。ご苦労様。お風呂になさる、お食事になさる」

「風呂にしよう」


風呂からあがって。

「ビールになさる、焼酎になさる」

「ビールにしよう」


「今日、科学大学の木下さんから電話が有って、あなたが食堂の大原さんんと、浮気をしているそうね」

「おかあちゃん、ごめん、かんにん。許してちょうだい。もう、2度としません、絶対」


「2度としたら許さないから」

弘和は、こうして、許してもらった。


翌日、食堂で。

「こんにちは、いつもの」

「はい、ねえ、明日しよう」

「だめなんだ、家内にバレたんだ」


「どうして、バレたの」

「図書館の木下さんが、家に電話をしたんだ」

「何てヤツだ」


「それで、家内に謝って、2度としないと言う約束で、許してもらったんだ」

「許せない」


大原は、正門警備員室へ行き。

「絹川さん、増田さんの家の電話番号を教えて下さい」

「個人情報なので、教えられません」


「絹川さん、鹿ノ台6丁目で、巡回の途中で、立小便したでしょう。大学に言うわよ」

「あっ、はい、0743-73-○○○○です」


大原純子は、増田の家に電話をした。

「こんにちは、科学大学の増田さんのお宅でしょうか」

「はい、そうです」


「私、科学大学の大原と申します。お宅のご主人が浮気をしています。相手は、図書館の、木下恵子です。昔からずーと、お宅のご主人と浮気をしています。私なんかは1回しただけなのに、木下さんは、何十回もしてるんですよ」


賢い女は知らぬふりをする。賢くない私は、夫を責める。

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