第2話また行こうね
「フフフ、立たないの」
「でも、いいじゃない。せっかく鶴橋まで来たのだから、行きましょうよ」
ラブホテルに入った。裸で抱き合いキスをした。
「本当に立たないのね。初めてみたわ」
「でも、こうやって添い寝してるだけで気分がいいわ」
「挿入ばかりがセックスの喜びじゃあないのね」
「こうやっていると、20年前を思い出すわ。彼と一晩中裸で抱き合っていたわ。懐かしい」
しみじみと言った。
近鉄電車で二人だけで並んで座席に座った。
「今日は楽しかったわ。また、連れてきてね」
「立たなくてもいいのかい」
「裸で添い寝しているだけで、いい気分だったわ。セックスって性交だけじゃないのね」
生駒駅で別れた。
翌朝
「増田さん、おはようございます」
「木下さん、おはようございます」
二人は眼と眼で『また行こうね』と合図を送った。
木下恵子の家には、車が2台有った。車で通勤しても良かった。でも、わざわざ、増田弘和に会うために、電車・バスで通勤した。それも、『科学大学』の終点まで乗らずに、一つ手前のバス停で降りて、歩いて正門から大学に入った。みんなは、なぜ、終点まで乗らないのか、不思議がっていた。
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