第183話【身を斬る思い】

グレートヒェンがローズオーラを走らせている間

クレール達はと言うとアジトにしている廃屋に居た。

クレール達はダニエルの死体を埋めて、 ファウストの脾臓を取り出した。


「・・・・・この脾臓はお前が持って居ろ」


デルがクレールに渡す。


「良いの?」

「あぁ・・・なるべく集中させた方が良いだろうからな」

「そうだな・・・俺はこの間気絶させられたしデルも戦う人間じゃない

クレールが持っているのが良いだろう」

「じゃあ有難く・・・」


クレールが脾臓を取り込んだ。


「これから如何する?」

「もっと外術に磨きをかけて研鑽するしかないだろう、頼むぞ二人共」

「えぇ? デルは研鑽しないのか?」

「今回、 私は以前来た影の言葉を無視して二つの外術を用意して

グレートヒェンとの戦いに出向いた、 結果として全滅を免れる事は出来た」

「確かに外術が二つだったからこそ俺達は生きているという訳だな」

「攻撃用の他にサポートの外術が有るのは便利だわ」

「その通り、 故に私は君達とは逆を行こうと思う」

「逆?」

「一個に集中して君達は研鑽を重ねろ

私は多くの外術を持って君達をサポートしよう

言うならば君達の戦いを私がサポートするという事だ」


ごとり、 と音がした。

クレール達が振り返るとそこには大臣が居た。


”久しぶり”と黒板に書かれていた。


「大臣・・・何しに来た?」


”私も辛いんだ”と黒板に書かれていた。


「・・・・・外術【溶溶漾漾】」


デルの体が大量の水になる。

ぶしゅ!! と大臣の体から血が噴き出て水となったデルに混ざる。


「ぎゃ!!」


水になったデルが水面から引き摺り出される。

デルの首には手がかけられていた。


”身を斬る思いなんだ”と黒板に書かれていた。


「私達を殺すのか!? 何故だ!?」


”君達が外術を使ったから”と黒板に書かれていた。


「な、 なんだと・・・それの何が悪い・・・」


デルが息も絶え絶えになりながら漏らす。


”外術を使うのは大罪なんだよ”と黒板に書かれていた。


デルは自分の体から肝臓をクレールに投げた。

べぎょ、 と音が鳴ってデルの首が折られた。


「うおおおおおおおおお!! 外術【酒池肉林】!!」


廃屋の床から大量の手が生えて大臣に襲い掛かる。

大臣は大量の足を生やして飛んで避けた。

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