第184話【手が足りない】

”沢山の手を生やす外術か・・・私と似ているな”と黒板には書かれていた。


「逃げるな!!」


”ここは引かせて貰うよ”と黒板には書かれていた。


「逃がすかよ!!」


大臣はパチン、 と指を鳴らした。

するとずらりと廃屋を取り囲むように魔物達が現れた。


「・・・・・そりゃあ手下位居るか・・・」


”そう言う事だ、 悪いね”と黒板には書かれていた。

大臣は奥に控えて魔物達が突っ込んで来た。


「外術【酒池肉林】!!」


大量の手が魔物達を掴み潰す。

しかし多勢に無勢。


「外術【一発必中】!!」


クレールも銃で応戦するが対応し切れていない。


「くっ・・・だったらこうだ!!」


【酒池肉林】の手がクレールとストーンを掴む。


「え!?」

「黙ってろ!!」


そして二人を遠くに放り投げた。


”逃げる気か?”と黒板には書かれていた。





放り投げられた二人は何とか着地に成功した。


「いたた・・・」

「大丈夫かクレール」

「大丈夫・・・」


魔物達の声が聞こえる。


「でも無いわね、 急いで逃げましょう」

「流石にキツイしな・・・」


クレールとストーンは急いで逃げ出した。

廃屋の有った森から離れ街道に出た。

しかし・・・


「・・・・・おい、 街道にも魔物の声がするぞ」

「先回りされていたの!?」


後ろからも魔物が迫る。


「くっそおおおおおお!! 外術【酒池肉林】!!」


大量の手が地面から生えて魔物達を襲う。

クレールも銃で応戦しようとした。


「ちくしょうめええええええええええええええ!!」

「外術【一発必中】!!」


クレールも銃で応戦するが焼け石に水である。

後ろからの魔物の声が大きくなる、 そして馬の蹄の音が聞こえる。


「・・・何だ?」

「誰か追われているのか・・・」


二人が振り返るとそこに居たのは。


「見つけたああああああああああああああああああああ!!」


魔物を大量に連れて来たグレートヒェンだった。


「お、 おまっ!?」

「何で来たんだ!? って言うか魔物を連れて来るなよ!!」

「こっちにも魔物が来ている様ね、 仕方ない皆殺しにするか!!」


剣を抜いてローズオーラから降りるグレートヒェン。

そして魔物を一掃する。


「お前達は後回しにするから適当に伏せていろ」

「わ、 分かった」


グレートヒェンの言う通りに伏せているクレールとストーン。

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