第166話【乱心】

迫りくる盗賊達を薙刀で首を刎ねるスクラッチ。


「おう、槍よりも良いかもしれないな・・・」

「終わったらちゃんと返せ」


空からメフィストフェレスが注意する。


「へいへい、所で戦況は如何だ?」

「悪いな・・・探知の魔法を使ったが敵の援軍が来ている・・・500程」

「500か・・・こっちの援軍も来ているのだろう?」

「総出で向かっている」

「総出か・・・どの位だ?」

「全部だ」

「それは豪華な」

「・・・・・ん?」


首を傾げるグレートヒェン。


「如何した?」

「Icicle burst、いやこちらの軍の一ヶ所が妙に突出して・・・何だこれ?」


雑に氷柱を繰り出しながら、軍の動きを不審がるメフィストフェレス。


「おぉおおおおおおおおおおおおおい!!二人共おおおおおお!!」


慌ててノートゥが叫びながらスクラッチとメフィストフェレスの元に来た。

遅れてシュルトゥとヴァーグナーもやって来る。


「ふた、ふた、ふたたたた!!大変たいへ、大変なんだあああああああああ!!!」

「落ち着けノートゥ、普段から可笑しな喋り方が余計変になっているぞ」

「そんな事言っている場合じゃないぞスクラッチ!!

今すぐついて来てくれ!!ヤバいんだ!!」

「ヤバい?如何したんだ?」


ヴァーグナーも動揺している事から自体を察するスクラッチ。


「陛下が敵陣に突っ込んだ!!護衛の騎士や近衛も一緒だが危険だ!!」

「なっ・・・陛下は狂ったのか!?」

「分からない!!もう何が何だか・・・陛下を死なせる訳には行かない!!

二人共一緒に来てくれ!!」

「分かった、メフィスト・・・って居ねぇ!!」


何時の間にか消えているメフィストフェレス。


「くっそ!!仕方ねぇ!!俺達だけで戻るぞ!!」

「わか、わかわわわわわわわわ」

「ノートゥ、落ち着け、黙って戻るぞ」


こくこくと頷くノートゥ。

来た道を戻りフォースタスと合流しようとする三人。

途中で来た盗賊達の手足を的確にヴァーグナーが打ち抜き

怯んだ所をシュルトゥやスクラッチが頭をナイフや薙刀で掻っ切って行った。

ノートゥは対処しきれない相手を細切れにしていった。

フォースタスの元に戻ろうとしてら近衛と騎士団の死体の山が出来上がっていた。


「この死体の道を辿れば陛下の元だ!!急ぐぞ!!」

「委細承知!!」

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