第165話【心を一にする 】

ローズオーラを走らせ盗賊の頭の元に急ぐグレートヒェン。


「ファウスト、正確な位置を教えて」

『何で私が盗賊の頭の場所を知って居なくちゃならないんだ』

「死体の位置が分かるんでしょ!?」

『あ、そうか・・・上だ!!』

「上!?」


上を見た瞬間、刀を持った男が斬りかかって来た。


「!!」

「外術【一刀両断】!!」


刀が振り下ろされると共にズザッアアアアアアアアアア!!と大地が斬れる。

斬られる前にローズオーラの馬上から消えるグレートヒェン。


「外したかっ!?」

「ダニエル、後ろ!!」

「!?」


クレールの叫び声で咄嗟にしゃがむダニエル。

ヒュンと頭上を白刃が飛ぶ。


「外術【一発必中】!!」


クレールが銃弾を撃った、その銃弾は巨大化しグレートヒェンに向かう。


「!?」


ガキン!!と何とか弾いたがグレートヒェンは吹き飛ばされた

そして立ち上がるグレートヒェン。


「何なの?貴方達・・・盗賊達の仲間・・・じゃないわね」

「私の事を忘れたか!!グレートヒェン!!」


クレールがグレートヒェンと対峙する。


「・・・・・誰?」

「ヴィッテンベルクでは世話になったわね!!」

「・・・・・あの時の子供か・・・外術を使った様に見えたけど?」

「実際使っているわよ」

『グレートヒェン、後ろだ!!』

「分かっている」


バク転するグレートヒェン、後ろから迫っていたデルとストーンが驚く。


「読まれてた!?」

「構うか!!外術【酒池肉林】!!」


地面から大量の手がグレートヒェンに伸びる。

グレートヒェンは全ての手を叩き切った!!


「マジかよ・・・」

「これが戦闘経験の差・・・それともファウストの死体の数の差か?」


デルが漏らす。


『グレートヒェン、こいつ等全員死体を体に入れている』

「なるほど・・・それは強敵かもね・・・所で貴方達は何者?

大方ファウストの死体の力に魅せられた奴等、って所でしょうが」

「残念ながら大外れだ、我々はある人物からお前を殺す様に言われているのだ」


デルが高らかに宣言する。


「小間使いって事ね」

「何を!?」

「落ち着けクレール、それで我々はそれぞれ外術を持っている」

「ふむ、それで?」

「お前に勝ち目は無い」

「ちゃんちゃらおかしいわね」

「何?」

「貴方達の外術、どれもこれもファウストは愚かメフィストの魔法にも及ばない

そんな程度で勝利宣言をされてもねぇ・・・」

「上等だ・・・行くぞ!!」

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