第164話【心暖かきは万能なり】

ローズオーラに乗り、地を駆けるグレートヒェン。

大勢の盗賊達を発見し追撃を行おうとした、だがしかし。

空から隕石が落ちて来た、そして盗賊達を押し潰した。

隕石の衝撃で大地が滅茶苦茶になった。


「これは・・・Meteor!?メフィストか!?」

『偶然隕石が落ちて来た、と言う事は無いな』

「当たり前でしょ

そんな隕石が都合良く盗賊の上に落ちるなんて偶然有る筈が無い!!」


ローズオーラを宥めて落ち着かせて降りたグレートヒェン。


「急ぐわよ!!」

『待った、グレートヒェン』

「何!?」

『ここはメフィストフェレスに任せて良いのではないか?

盗賊達がメフィストフェレスに勝てるとは思えない』

「?」


違和感を感じるグレートヒェン。


『何か可笑しい事を言ったか?』

「メフィストフェレスって呼んだから・・・メフィストって呼んでたじゃない」

『そうなのか?まぁ兎も角このまま放置で良いのではないか?』

「良い訳が無いでしょ!!」


怒声を挙げるグレートヒェン。


「見なさいこの大地を!!魔王との戦いで魔王の領地なら兎も角

王国でこの破壊力の魔術を行使してみれば国土が荒れるわ!!」

『確かに・・・だがしかし、如何するつもりだ?』

「如何するつもり?決まっているじゃない!!この盗賊共を皆殺しに」

『出来るのか?良く見て見ろ』

「・・・・・」


遠くで散乱している盗賊を見る。


「・・・馬鹿な・・・生きている奴が居るだと!?」


Meteorの衝突の跡に生きている盗賊を見るメフィストフェレス。

メフィストフェレスのMeteorを喰らってまともに生きているとは思えない。


『耐えたか、回避したか・・・そんな化け物連中相手に無双が出来るとは思えない』

「・・・・・・・・・・じゃあ如何しろって言うの!?」

『自分で考えろ』

「~~~っ!!」


遠くの地面から火柱が上がる。

まるで火山の噴火の様だった。


「Volcano・・・メフィストやりすぎよ・・・」

『Meteorでも生き残りが居るんだ、この位は良いだろう、さて如何する?』

「・・・・・・・頭を叩き潰してこの盗賊達を下がらせる・・・」

『良い案だ、死体も回収出来る一石二鳥の手だと思うよ』

「・・・・・行くわよローズオーラ!!」


ローズオーラに跨り身を翻すグレートヒェン。


「恐らく向かって来ている方向に頭は居る筈・・・待ってなさいよ!!」

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