第159話【心情の変化】

王国歴1026年の【勇者爆発】と呼ばれる勇者処刑の日に

起こった謎の大爆発事件が起こった年はまさに激動の年だった。


人々を苦しめた魔王討伐を成した英雄である筈の勇者の処刑

1000年以上経過している現在となっては

勇者が処刑された理由は未だに分からない。

現在、魔王の存在すら疑われ、外術【王道楽土】自体が存在せず

魔王は反逆者の通称だったのではないかと言う説も存在している。


それだけでも激動だったのにハイエルフの反乱による

エルフの勢力の主要人物の殺害

そしてそれに伴うエルフ社会のパワーバランスの変化。

国防を担っていた軍事機関【御使い】の反乱と討伐。

極めつけに王国中の盗賊が集まった【大統一盗賊団】による大反乱。

この大反乱は王国の歴史上、類を見ない大乱だった。


国王であるフォースタス・マーロウ自らが

国有する騎士団や陸軍等の全軍を率いて討伐に向かった

この事実だけで今までに無かった事態である。

その勢力は魔王討伐の時とは比べ物にならない勢いであった。

盗賊の討伐の方に勢力を割いた理由は不明である。


当時を国王軍と盗賊達の戦いを見た民草は

『満点の星空の星達にも匹敵する大軍が地面を覆いつくし

空が割れた様な轟音が周囲を満たした』と言う記載が有った。


当然ながら盗賊の寄せ集めの【大統一盗賊団】に

訓練された国王軍が相手では勝ち目は無かった筈なのだが

【大統一盗賊団】は謎の奮戦を見せ全軍と張り合うと言う

快挙を成し遂げたのだった。


その理由として【大統一盗賊団】には謎の薬が存在していたと言う。

現代のステロイドの様な物だったのではないかと噂されているが

詳細は不明である。


従軍医療班の記録によると『血塗れになった盗賊により血の大河が築き上げられ

怨嗟の声が鳴り響く、まさにこの世の地獄の顕現』であるとされた


いずれにせよ、当時と現代の人々とでも様々な物が違う為

当時の事を詳しく把握する事もその心情を察する事は不可能だろう

ましてや今の太平の時代と当時の様な大乱では人の心も違って当たり前である。


そして、この大乱の終結に思いもよらない事態を

巻き起こし更なる争いを生むのだった。

ここから先は様々な記載があり

どれが正しいのか不明だが一番支配的な説は―――


-王国の歴史から抜粋

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