第154話【悪心の宴】
「おい、起きろ、キャンポー」
「ん・・・!?」
キャンポーはトムに起こされた。
二人は共に逃げ出し奇妙な友情を感じていた仲だった。
キャンポーが目を覚ますとそこは見慣れない場所だった。
体が動かず首も動かない、辛うじて目線が横にするとそこにはトムが居た。
「と、トム、これは一体・・・」
「分からん・・・」
「おきたようだね」
人型の闇がトムとキャンポーを見下ろす。
「な、何だお前は」
「ぼくのことは”たいし”とよんでね、だいじんとおなじくしてんのうのひとりだよ」
「四天王!?な、何でここに!?」
「べっつにー、よばれたからきただけだよ」
「追々、一人締目刃良句無居初」
女の声で耳障りな声がした。
「ひとりじめしようとしたわけじゃないよー、かおをのぞきこんだだけー」
「ソレジャアカンチガイサレテモシカタネェゼタイシ」
物凄い早口の男の声がした。
見ようにも体が動かない。
”やぁ二人共、こんな形で再開するとは残念だよ”と書かれた黒板が二人の視界に現れた。
「大臣か!?これは一体どういう事だ?」
”逃げたペナルティだよ”と黒板には書かれていた。
「ペナルティ・・・俺達はこれから一体どうなるんだ?」
”食べられる”と黒板には書かれていた。
「食べられる・・・だと!?」
「オレタチハジュンスイナマモノニンゲンハダイコウブツダ」
「早々、人間歯美味」
「ぼくはべつにすきじゃないかなぁ、しょくじじたいいらないしー」
「・・・・・」
キャンポーは震え始める。
「く、喰うならさっさと殺せ!!」
トムは吠える。
”四天王が全員揃ったんだ、ただ食うだけじゃ物足りない
君達の旋律を聞かせて貰おう”と黒板には書かれていた。
「旋律?」
視界から黒板が消えて代わりに鏡が現れた。
「・・・・・・・ぎゃああああああああああああああああああああああ!!!!!」
「何の・・・何の冗談だ・・・嘘だ・・・嘘だ」
そこに写されたのは体が綺麗にバラバラにされて生け作りにされていた
キャンポーとトムの体だった、キャンポーは絶叫しトムは現実を受け止められず
ぶつぶつと現実逃避を始めた。
”さて、では食べながら聞いてくれ”
「おしょうゆとわさびをとって、さいしょう」
「ワカッタゼタイシ」
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