第139話【幸せな夢を探そう】

「分からない?アンタ、居場所も知らない奴を殺しに行けって言う訳?」


クレールが文句を垂れる。


”安心しなよ、恐らくグレートヒェンはファウストの遺体の場所を知る事が出来る

そして回収しに来る、そうすれば君達と鉢合わせするだろう”

と黒板に書かれていた。


「・・・何でグレートヒェンはファウストの遺体の場所が分かるの?」


”分からない、しかしさっき言っていた猿の実験の時は

全く人と関わっていないにも関わらず察知されたから

確実にファウストの遺体をサーチする能力が有るのは確実だ”


「・・・それでも大まかな場所は分からないのか?」


トムが食い下がる。


”分からないな、それは君達で探して来てくれ”と黒板に書かれていた。


「支度金は出るのか?」


ストーンがヘラヘラしながら尋ねる。


”私が人間の金を持っているとでも?君達に与えた力で各自お金を稼いで来なさい”

と黒板に書かれていた。


「私達に押し込み強盗でもしろって言う訳!?」


クレールが叫ぶ。


”方法は任せるよ、その力を生かして働くのも良いんじゃないか?”

と黒板に書かれていた。


「っ~」


悔しそうな顔をするクレール。


「そのグレートヒェンの人相は教えて貰えるんだろうな?」


トムが尋ねる。


”それは教えよう”と黒板に書かれていた。

大臣は細く鋭いチョークを使って叮嚀に女性の顔を描いた。


「この女!!」


クレールが叫ぶ。


”知り合いかい?”と黒板に書かれていた。


「ええ、以前酷い目に遭わされて・・・

なるほどコイツがグレートヒェンだったのか・・・

大臣、この女の首は私が取ります」


”そうか、さてとそろそろ行って来て貰うとするか”と黒板に書かれていた。


「・・・行って来て貰うか?つまり、この建物の外に案内してくれると言う事か?」


”そうだね、案内しようついて来て”と黒板に書かれていた。


大臣は6人を外へと導いた、しかし何故か階段をずっと昇って行く。


「おい、何で階段を昇って行くんだ?出口に行くんだろう?」

「きっと地下なんだろう」


そんな話をしながら階段を上る6人。


”さて、着いたぞ、この上だ”と黒板に書かれていた。


辿り着いた先は鉄の梯だった。


「この梯子の上か・・・」


”そう、この梯子の上の扉を開ければ外に出られるよ、陸地が見える筈だ”

と黒板に書かれていた。


「分かった、それでは行こうか」


6人は順番に梯子を上って行った。

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