第106話【流浪の銃士は撃ちあう】

ライフル銃で着々と雑兵を狩るヴァーグナー。


「そろそろ上陸します!!」

「分かった!!」


兵の掛け声に返答するヴァーグナー。


「・・・アサエモン!!」


アサエモンを確認しライフルで狙い撃つヴァーグナー。

しかし回避される。


「だろうね、だが!!」


次々とライフルで撃ち続けるヴァーグナー、次々と避けられる、だが・・・

船から跳ね橋が掛けられ殺到する騎士団員達。


「行くぞー!!王国騎士団と陸軍の強さを見せつけてやれー!!」

「「「「「おおっ!!」」」」」

「くっ・・・そぉ!!」


騎士と陸軍兵士が殺到しヴァーグナーも拳銃で撃ち続けアサエモンは倒れた。


「アサエモン殿!!」

「遅かったか!!」


雑兵を引き連れたヒジカタとヤギュウが現れる。


「こぉんのぉ!!喰らえええええええ!!」


ヤギュウの毒剣が舞う、切られ毒に侵され倒れる騎士達。


「ヤギュウ上から狙われている!!」

「!?」


船上のヴァーグナーに剣を投げるヤギュウ。

ヴァーグナーのライフル銃に毒剣が刺さる。


「チッ!!」


ライフル銃を捨てて拳銃でヤギュウを狙い撃つ。


「甘い!!」


銃弾を叩き落としながら毒剣を投げるヤギュウ。

毒剣を銃弾で撃ち落とすヴァーグナー。


「やるね若さ」


ガキン!!とヤギュウの目の前にナイフが飛んで来たナイフを叩き落とすヒジカタ。

ナイフを投げたシュルトゥが舌打ちをする。


「前からも来てるぞ!!気ぃ抜くな!!」

「あ、あぁ!!」


そして殺到する騎士と兵士達、そして『御使い』の雑兵達。

混戦に陥り銃も大砲も使えなくなった。


「・・・一旦中に戻るか」


甲板から船内に入るヴァーグナー。


「船内には誰も入れない様に!!」

「了解しました!!」


近衛達が忙しく走り回っている。


「・・・まぁ入られるんだろうな、私も準備をしておいた方が良いか・・・」




一方その頃サイトウとスクラッチの打ち合いは続いていた。

剣道三倍段と言って槍相手では剣は三倍の腕前が無ければ

太刀打ち出来ないとされている中

サイトウは巧に捌いていたがスクラッチの攻撃が当たる様になっていた。


「・・・・・」

「・・・・・」


だがしかしスクラッチは一切油断しなかった

気を抜けば殺されるのは明らかだからだ。

この老人が槍を持っていたのならば自分はとっくに死んでいたのだろう

そう思わせる実力をひしひしと感じていた。


「仕方が無い、やるか」


突っ込んで来るスクラッチ。


「!?こいつ・・・」


攻撃は避けられない、だが隙が大きい攻撃、こちらの攻撃が先に当たれば勝てる!!

と剣を振り下ろすサイトウ、剣はスクラッチの左肩を斬ったが、命を絶つには至らず

スクラッチの槍が深々とサイトウに突き刺さった。


「左は行ったがこれで爺さんは死んだな・・・先に行こう」


槍に刺さったサイトウを雑に放り投げて先に進むスクラッチだった。

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