第46話【長話をするハイエルフ】

「まず始めに王国は我々の計画についてどれ位把握しているのだ?」

「我々の計画?」


ルネの言葉に首を傾げるグレートヒェン。


「そうだ、エルフ達による王国に対する独立、それが我々の目的だ」

「いや、全く知らないし、私はここに私人として来ている」


ルネは驚愕し一旦呼吸を落ち着ける。


「・・・待て、何も知らないのに何故ここに来た?」

「貴女は何処からか飛んで来た

死体のパーツについて何か知っているのではありませんか?」

「死体・・・?あぁ肺の事か、あれは驚いた

拾ったら体と融合したのだから・・・だがしかし体から力が満ち溢れて来た

この力で長年の夢だった王国からの独立計画が進められる」

「なるほど・・・外術のその際に?」

「いや・・・まぁ最後の一押しは確かにこの死体かもしれないが

外術の研究は前々からしていたんだ、それが漸く花開いたんだ

事の始まりは私がハイエルフの族長になってから

外術の事に関する資料を集めたんだ

王国初代国王が外術【王道楽土】で王国の基盤を作ったが

国が外術の力に耐えられず国号が無くなり国号が無くなり

不安定になった国を押さえる為に各地に巨大な城を作り

国を無理矢理押さえつけて安定させていると言うことまでは分かったんだ

そこでエルフの会合場所としてこの大森城を何とか私の手中に収める事に成功した

この城を手に入れるまでには様々な苦労が有り屈辱的な協定等

正に辛酸を舐めるが如きだった・・・」

「・・・・・」

「苦労の末にこの城を手に入れて調査をしても外術に繋がる手掛かりは無かった

だが私はめげずにエルフ達の会合で人間を排斥する事を提案し

何度も会議にかけたんだ、だがしかし人間との混じり物であるハーフエルフや

私の意見に対し何も考えず全否定する闇エルフの族長が強硬に反対し

何時も会議はなあなあで終わって来た、今日その邪魔者達を排除して来たが

何故か他の族長はエルフの独立に対して反対をする」

「何でそんなに人間が嫌いなんですか?」

「良く聞いてくれた、君達人間は我々よりも劣っている存在なのに

我々エルフと同じ権利を有しているかのように振舞っているからだ

本来ならば君達人間は我々に使われてしかるべき存在である筈なのにだ」

「はぁ・・・何言っているかさっぱり分かりませんね

それで私に協力して欲しい事とは何ですか?」

「今から説明しようでは無いか、所で君は誰だ?」

「グレートヒェンです」

「騎士グレートヒェン、名は聞いた事があるぞ」

「それは如何も」

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