第39話【ハイエルフ】

「さて、では会議を始めようか、私から議題が有る」

「おいルネ、無視するな」


闇エルフの族長が声を挙げるハイエルフの族長ルネは仕切りたがりで

他の族長全てから大なり小なり嫌われているが特に闇エルフの族長とは仲が悪い


「ハーフエルフ達は如何したんだと聞いているんだ」

「ですから来ませんし、あんな半端者如何でも良いじゃないですか」

「そうか、では採決を取ろう、ハーフエルフの一族を待とうと思う一族は挙手」


当然ながらハイエルフ以外の全員が手を挙げる


「と、言う訳だ、待つぞ」

「それは無理な話ですね

彼等は半分人間の分際でここに立とうとした彼等は存在自体が大罪だ

既に処分しました」


ざわつく会場


「冗談だろう?」

「いやだが奴ならやりかねない・・・」

「冗談でも公の場で言って良い台詞では」


族長達がそれぞれ言葉を紡ぐ


「乱心か、ルネ」

「否、我々の団結を高める為に邪魔者は排除しておくべきだろう」

「我々?」

「私が出したい議題はそれだ

『エルフ一族の王国からの独立』これを話し合いたい」

「エルフ一族の王国からの独立?如何いう事だ?」


闇エルフの族長が訝し気に尋ねる


「我々エルフは人間に差別されている」

「差別されてないぞ?」


闇エルフはハイエルフの言葉を即座に否定し


「確かにそんな事無い」


火エルフも闇エルフの言葉を追従し


「王国ではエルフと人間は対等所か比べるのもナンセンスと言う風潮だ」


山エルフは一般論を口にし


「我が一族は王国各地で生活している者も多いが

そんな話は聞いた事が無い、上手くやっているよ」


滝エルフは自らの経験を話し


「そうだな、君の勘違いだ」

「何でそう思うのか聞かせて貰おうか」

「差別って感じた事が無いんだが?」

「馬鹿馬鹿しい話だな」


他のエルフの族長も否定を示す


「いや、お前達良く考えろ我等エルフはあらゆる面で人間を遥かに上回る存在だ」

「いやそんな事は無いだろ」


闇エルフが否定する


「貴様、話の腰を折るな」

「エルフと人間を比較しても人間よりエルフは寿命が長いが人間の方が子を生み易いし数も多い」

「魔力、身体面でエルフの平均値は人間の平均値よりも高いでは無いか」

「だが最高点は人間に及ばない、現状王国最強は弓使いを除いて全部人間だ

技術等も人間は次々と新しい物を発明し技術力は普通の人間が一歩先を行く

勿論レンジャー等の技術は我々の方が上だが発想力は人間の方が」

「黙れ、殺すぞ」

「殺して見ろよ」

「相分かった外術【殺伐激越】」

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