第11話【牧場の物語】
グレートヒェンは牧場跡を訪れた
「こっちで合ってるの?」
『その通りだ、その建物のドアの前で待機している』
「ふーん・・・」
牧場だけあるのかかなりじっかりしたドアなので蹴破る事は出来ない
「ドアの前に居るならこっちの方が良いかな」
そう言いながら剣をドアに突き刺した
「・・・・・いないじゃん」
『気を抜くなと』
「うおおおおおおおお!!!」
ドアが開かれしゃがんだ少年がピッチフォークを持って突撃して来た
「!?」
慌てて盾を構えるもピッチフォークで弾かれて盾を落としてしまった
剣もドアに突き刺したまま開かれたので手元に無かったが
「舐めるな」
柄が木で出来ていた為ピッチフォークを圧し折る事に成功したグレートヒェン
互いに素手、条件は同じ、いや鎧を着ているからこちらの方が有利
もう逃がさないと距離を詰めるグレートヒェン
少年も近付きかぶり付こうとする
当然ながら先程の焼き直しの様に蹴り飛ばすグレートヒェン
だがしかし、今度は吹き飛ばず受け止められた
「なっ!?」
『そりゃあ来ると分かってればこうなるだろうさ』
苦痛に喘ぎながら鎧の上からグレートヒェンの足にかぶり付く少年
「くっ、離れろ!!」
少年を思い切り殴るグレートヒェン、手甲をしたまま殴っている為
相当の痛手になる筈だが少年は頭から血を吹き出しながら
構わず噛みつき続け、鎧を貫き足に齧りついた
「っ!!この!!」
折ったピッチフォーク先端部を拾い上げて少年に突き刺すグレートヒェン
少年の頭蓋を砕き目玉が零れ落ち、脳漿が滴る
「・・・・・」
噛まれた足を下ろしたグレートヒェン
「うおぇ!!」
そして吐いた、今までの人生、魔物を殺し悪人を罰し、様々な戦いを経験したが
子供を手にかけたのは初めてだった、自身が子供を殺した事に対し
嫌悪感が込み上げてくるのは仕方のない事だ、しかし
『グレートヒェン!!前!!』
「え?」
少年は何事も無く立ち上がった
「頭貫かれて何で動けるのよ!!」
「殺しても良いから食わせて!!」
そう言いながら少年は飛び掛かりグレートヒェンを押し倒した
「助けてファウスト!!」
グレートヒェンは絶叫した
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