ワタシたちは世界の中心に散る

戦風微

第1話

 私の前ではすべてが白い塊である。白く、白く、白く、雪よりも空しい妄想である。

 それを眺めながらも見えないふりを続ける私は何と比べれば救われ、心と身体を殺してもらえるのだろうか。いつまで目を閉じ続ければ、美しい明日の入り口を見つけられるのだろうか。今この瞬間に目を開けば、輝く朝日が視界を奪い去ってくれるのだろうか。

 皆様が自決せずに生きていることを不思議に思いながら、私は首を吊る――さもしい性根など、醜い世界は求めていないのだから。


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