第16話 木曜日に男3人で買い物に


10月に入りしっかりと冬の気配を感じるようになり行き交う人たちも冬の装いに着替えたある日。


僕とリョータ、そして久しぶりに一緒に出かける知念の3人はとある雑貨屋にて頭を悩ませていた。


「なあ皐月、これとこれどっちが似合うと思う?」

「う〜ん、こっちかな?」

「ならこれとこれは?」

「こっち?」

「じゃあ・・・」

「お前ら漫才か何かか?」

10月の21日が杏奈ちゃんの誕生日で11月3日が梓ちゃんの誕生日。

リョータは2人のプレゼントを選ぶのに僕たちを引っ張ってあちこちへと毎日のように出かけている。


「なあ皐月。リョータってこんなヤツだったっけ?」

「あ〜まぁモテる男は大変だって話だよ」


リョータはアクセサリーを手にあれやこれやと悩んいる。


「で、皐月。お前んとこはいいのか?」

「うん?僕の方は来年だからね。それより高山君は彼女作らないの?」

「それなんだけどな、その、なんだ、俺さ。アイツとヨリ戻そうかと思ってな」


確か高山君の元彼女って・・・


「えっ!マジでか?知念!」

「うわお!いきなり飛びつくなよ、まあそんな話をしてる最中なんだよ。別に俺らは嫌いで別れたんじゃないからな」

「そうか、良かったじゃねーか!なぁ皐月」

「うん。僕もいいと思うよ。2人はお似合いだったし」

「ははは、ありがとな。また近いうちにお前らには会わせるから」

高山君の元彼女、僕たちの学校に来ていた保健の研修生で確か、高遠みちるさんだったかな?

高山君が一目惚れして猛アタックをしていたのはよく覚えてる。


結局研修が終わってからしばらくして別れたって聞いたけど。

「それはそうとハーレム君の彼女達も紹介して欲しいとこだよな」

「おっ、ならさ、全員で一回集まらないか?」

「えっ僕も?」

「当たり前だろ?やるなら皐月んちでやるだろ?」

「あのね?リョータ、高山君の都合もあるだろ?」

「知念はいいよな?」

「俺はかまわないぜ、アイツもお前らには会いたいだろうし」

「よし!決まりだ!」

おいおい、僕の都合は聞かないんだね?いつも通りと言うか。


「じゃあ杏奈ちゃんと梓ちゃんの誕生日会も兼ねてする?」

「いいな、いい事言うじゃんか!」

どうせならワイワイと楽しくやりたいし、リョータも高山君も親友だからね。


「21日って何曜日だ?」

「ちょっと待ってね、えっと金曜日だね」

スマホのカレンダーで見ると金曜日。丁度翌日が休みだから僕らには都合がいい。


「あとはそれぞれの彼女に予定を聞いてからだな」

「うん、今日の夜にでも鈴羽に聞いてみるよ」

「俺もちょっと連絡してみるわ」


「よしっ!ならあとは、プレゼント選びだ!皐月に知念!もうちょい付き合えよな!」

「え〜まだ見るの?リョータ自分で決めてよ」

「そうだぜ、リョータ。正直、俺はもう飽きた」


それから結局僕らは、リョータにあと2軒付き合わされた。


やれやれ、でもリョータも高山君も楽しそうだったから良かったかなと思って僕は帰路についた。








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