怪しい女

倉田京

怪しい女

 俺は刑事でか新米しんまいの男とペアを組み、ある事件の捜査にあたっている。

「先輩、あの女は無関係ですね」

「そうなのか?」

「ええ、男と連絡を取るような素振そぶりはみられませんでした。彼女、今日は社内でずっと仕事をしてました。昼食を買いに一回コンビニに行きましたが、買ったものは焼きそばパンと牛乳です。途中で何度かトイレに席を立ってはいますが、個室の中で携帯をいじったりはしていませんでした。自宅アパートに誰かが訪れたような形跡けいせきもありません。どうします?もう少し泳がせてみますか?」

「そうか、すぐ逮捕しないといけないな…」

「え?彼女をですか?」

「いやお前を逮捕するんだよ。なに女子トイレの個室のぞいてんだよ」

「あ…」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

怪しい女 倉田京 @kuratakyou

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ