【夢日記】2019年2月17日
私は糸のようなもので指を何かにつながれていた。それを断ち切るためには何か他の人間を犠牲にする儀式を達成しなければならない。私は寮の部屋にあった古いラップトップを開く。それはウイルスに感染しており、私の過去の個人情報が流出している。その被害の程度を調査していると、一人の人間のツイッターアカウントに行き着いた。彼は私の大学の同期であり、今は研究者として業績を挙げつつある。そのツイートのひとつひとつも高度に知的な内容だったが、噛みくだかれていて、私にも理解することができた(その中身をこの場でつぶさに書き留められるだけの記憶力が私にあればどんなによかっただろう)。
ややあって、私は彼を対象として自分の任務を遂行した。結果として、私の指にくくりつけられていた邪悪な糸は解かれたが、今度はそれが私の胴体に巻きつき、全身を縛った。
私は医学生であり、何か形而上学的な問題を解決する論文を上梓していた。
高貴な男が大きな車に乗って現れる。彼は私の研究の助成を行ってくれた人物だ。だが私は彼らの所属する組合が何か非人道的な実験に肩入れしていることを知っている。彼は会食の行われる施設に入っていく。そこに入れるのは非常に限られた人物だけだ。私は組合からの認可を受けていたが、自分の持ち合わせている倫理観との間で心を悩ませていた。
遅れて別の男がやってくる。彼は結婚式を終えてきたと言っていた。私の隣にいた美しい女が、幸せそうな様子ですねと話しかける。
「ああ、そうとも。私たちは互いへの愛の証としてそこにふたつの◼︎◼︎を置いたんだ」
だがそれを見ると、そこにあるのは丸めたティッシュひとつだけだった。雪が降っていた。私と女は丸められたティッシュのかたわらにそれぞれの傘を立てかけて会食のための施設に入る。そのとき、女が私に向かって口を開いた。
「ねえ……好き」
だがその顔を見ると、そこに最初に認めた美しさはかけらほども残っていなかった。その姿は醜く変貌していた。私は逃げるように足早にホールへと向かった。
その晩餐の場には数多くの人間たちが集っている。その中にいた蠱惑的な二人組の少女のペアに私は劣情をそそられた。だが私が近寄って手を差し伸べようとすれば、その見目姿は先ほどの女と同様、醜く変貌してしまう。そのとき、そこに座っていた芸術家の男が口を開いた。
「私は自分の美の観念が、他の人間の認識とかけ離れたものであることは承知しています」
彼はグロテスクな表象の本を手にしている。そこに描かれているあらゆる猟奇的な場面を私は目にした。その中にある脳を引きずり出して握り潰す怪物の絵。それが現にいままさにこの場でうごめいていた。怪物が私の友人(その彼も人間の形状をしていなかった)を捕らえ、触手を体内に通し、脳を引きずり出して握り潰す。私は思わず悲鳴をあげた。その自分の悲鳴で目が覚めた。
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