第4話

 幼い頃なら素性を偽り交流できると思っていた少女は、強者を蹴落とす弱点を欲する男子に帰宅する所を尾行されて素性を知られた。遊ぶために存在する子供の社会で上下関係は注目されたが男装を疑う者は少なかったから発覚は遅かった。

 男装して交流していた子供社会で偽りを暴露された少女は性別を理由とした性差別的な侮辱を受けた。


 男らしい女性は不相応だと軽蔑される社会で軽蔑される言動から少女は自分や自分を育てた家族が侮辱される材料を他者に与えてしまった。

 世間体を気にする両親IとJから責められた少女は自ら男装を控えているが我慢できない時もある。

 男性らしさを抑えて女性らしい言動を意識して行い始めた。

 女性を演じれば、周囲からは未熟だからと受け取られて、侮辱される事は少ないが男装や男らしい言動は行い難く成った。


 ……。


 神官が有する抑圧的な規則から少女の下へ逃げる事が多々あった少年は家族を優先して抑圧的な道を選んだ少女の我慢に気付いた。

 不良を拾う優しさを持つ少女が決めた、大切な家族を守るために自らを犠牲にする道、を容易に否定できない少年は、力に成りたい思いから代行者に成ると少女へ告げた。少年は男らしい事を自分が代行すれば……と考えた。

 機会が有れば……と少女から頼られた少年は心の中で喜んだ。照れ隠しで強者の様に大船を浮かべた。


 代行する力(武力や知恵)を得る為に真面目に神官の務めを果たす少年は他の神官や女神から高く評価された。

 少女から頼まれた時、応えられる力が欲しい少年は頑張った。


 強さ優しさ弱さを知った少女に恋した少年は少女を抑圧から解放したいと思いながらも、常識の理不尽を如何にも出来ず、自分の無力さを実感した。

 女性が性別に縛られない世界なら少女を救えると考えたが方策が思い浮かば無かった。


 成果を評価されて女神から新たな命を受けた少年は長期的な計画に参加するため、他の地域に有る神殿へ移住が決まった。

 少女を守れるほど強くなると決意した少年は女神へ安易に反抗せず考えた末に命に従った。

 少女約束代行者を果たせないと謝罪した少年は強くなって帰って来ると告げて移住した。


 神官で有る事が修行と呼ばれる程に神官は制約が多く恋愛もその一つ。

 女神を優先できない恋愛は好ましくないが禁止はされていない事から神官の恋愛は好ましく思われない(女神を信仰する者たちから)。

 少女と共に居たいから女神の命に従わなかったら、女神を好む少女から軽蔑されると思った少年は女神に逆らえなかった。


 ……。


 抑圧的な生活を選んだ少女の心は代行者を名乗り出た少年に救われたが、時が経ち真面目に成った少年を評価した女神様の命で遠くへ行く事に成った少年の将来を考えると、少年へ依存する自分が枷に成らぬように……と考えた少女は代行者が居ない生活を覚悟して少年を見送った。


 ……。


 数年後、修行から帰って来た少年は恋愛に強さを求めない少女に恋人が出来るとは考えていなかったが、再開した少女の側には女のが居た。

 強い男性は弱い女性を守らなくては……という可愛さと強さが恋愛を支配する社会で、強い女性は男性から人気が無く、強い少女も相手が現れないと思っていた少年は完全に油断していた。

 強い男性は可愛い(か弱い)女性に恋をする……なら、強い少女も可愛い女性に……と少年は少しだけ考えた。


 ……。


色々と

 NはA(仲間)が敵対していたBの味方に成った事が許容できず、Aを取り返したくてBの弱みを欲したが結果的にAとBの仲が深まり、更にBが気に入らなくなる。

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