第13話 ファースト・フライト #1

 MiG-21を目の前にした幡谷は今すぐコクピットに飛び乗りたいという気持ちを押さえ、ポケットから飛行前に点検するべき内容を箇条書きしたチェックリストを取り出した。勉強熱心なコスミンが隣からそれをのぞき込む。

 「英語以外の言葉がありますが、これは何ですか?」

 「俺の国の言葉だよ。注意書きは別の言葉の方が目を引くからな」

 「なるほど、注意書きは別の言葉で、と」

 コスミンが手帳にペンを走らせる。そのコスミンの頭をフランシスが小突く。

 「ほらほら、地上電源装置が待ってるよ。パイロットが機体のチェックをしている間に僕たち整備員がやる仕事があるだろ?」

 「あ、そうでした。それではフラッグさん、失礼します」

 アメリカ式の敬礼をしてコスミンは駆け足で機体から離れていった。

 「教育が行き届いているな」

 「地元人の戦力化も仕事の内だからね。でもフラッグ、あんまり小さな男の子に色目を使っていると隣のロシア美人にそっぽを向かれるよ」

 「美人?」

 幡谷はもう一度MiG-21を見上げる。ずんぐりむっくりとした円筒に小さな翼、やけに大きな垂直尾翼。パネルラインも質実剛健と言えば聞こえはいいが、どこかあか抜けない。目に分かる大きさのリベット留はタコ糸で布を縫い合わせたようなに無骨だ。

 「確かに戦闘機は恋焦がれた相手ではあるけどな。いや、よく見ればこいつも美人に見えてきた。ちょっと太目で農作業好きな田舎娘かな」

 「だろ? ミグにはミグの良さがあるのんだよ。さて、点検を始めたらどうかな」

 フランシスの言葉に幡谷は頷き、チェックリストを手に戦闘機を飛ばす前の事前点検を始めた。

 まず機体の前方に移動しピトー菅など機体から突き出ているセンサーのカバーを外す。カバーには英語で「飛行前に外すこと「REMOVE BEFORE FLIGHT」と書かれている。MiG-21は旧ソ連製か中国製のはずなのでこれはブランブルがアメリカかどこかで調達したものなのだろう。それから幡谷はMiG-21の先端についている円錐状の部品、ショックコーンがしっかりと嵌りロックされていることを確認する。ショックコーンは機体のエアインテークの入り口についておりは機体の速度に応じて前後する部品だ。整備用にぱかっと開けることもでき、その状態で空を飛ぼうとすれば間違いなく吹き飛ぶ。車のボンネットを開けたまま高速道路を走るようなものだ。ショックコーンのチェックが終わるとエアインテーク(空気取り入れ口)の中を覗き異物がないことを確認する。ジェットエンジンは繊細だ。ネジ一本でも吸い込めばあっという間に破損してしまう。それから降着装置のタイヤを触り圧力を確認し、機体各部の外見に問題がないか、オイル漏れがないか、チェックリストに従って一つずつ機体をチェックしていく。胴体中央下部には大きなドロップタンク(増槽)が取り付けてあった。幡谷はタンクを揺らしてみて、しっかりと固定されていることを確認する。最後に降着装置のタイヤを固定していた車止めを外し、隣で見ていたフランシスに手渡す。

 「問題なさそうだな」

 「俺たちも給料分の仕事はしているからね。まあ、お金をもらってもこっちじゃ使う機会がないけど」

 「イシュウの街にはいかないのか? 現地の食べ物とかいろいろありそうだが」

 「こっちの食べ物は中華風なんだよ。僕はアメリカ人だからね、ハンバーガーかステーキがごちそうなのさ。さ、次はコクピットだ」

 フランシスがコクピットに掛けられたはしごを軽く叩いた。コクピットに上がれとのいう合図だ。幡谷は機体にかけられた梯子を上ってコックピットの高さまで上がる。すぐにコクピットには入らずに、外から中の確認を始めた。面倒だがこういった外観チェックは重要だ。空の上で何か異常があれば、それは即命を失うことに繋がりかねない。

 MiG-21のコクピットはF-2のようなグラスコクピットではなく、無数の計器とスイッチに溢れた昔ながらのものだった。奇妙なことに計器の表示はロシア語と中国語、一部は英語も混ざっている。

 「メイド・イン・チャイナにしてもいい加減すぎないか?」

 「仕方ないよ。バンカーが世界中から集めた部品を二個一、三個一で組み上げたんだ。ちゃんと飛ぶだけでも大したものだと思わない? それにフラッグは日本人だからチェイニーズレター(漢字)が読めるよね」

 「ある程度はな」

 そう言いつつ、フラッグはチェックリストを見ながらコクピットの外見チェックを始めた。MiG-21に乗るのは今回が三回目。まだリストなしで飛行前点検ができるほど慣れてはいない。コクピットの中に異物がないか、脱出の際にキャノピーを吹き飛ばす装置の安全ピンがきちんとはまっているか、電源系やブレーカー系のスイッチが切れていているか、酸素の圧力や緊急時の与圧システムが正常か、降着装置のレバーがニュートラルにあるかなどを丁寧に確認する。特に脱出装置系は重要だ。 外観チェックを終えた幡谷はコクピットの中に入る。中はおそろしく狭く視界はかなり悪い。F-2のコクピットも決して広くはなかったが、それに輪をかけて圧迫感がある。MiG-21のキャノピーの透明な部分は首のあたりまでしか無い。しかも太い金属製の枠で覆われている。MiG-21は空飛ぶ棺桶と呼ばれることもあるそうだが、まさに棺桶に入って首から上だけを出している気分だった。

 「異常はないか?」

 ハシゴを上ってきたフランシスは幡谷がハーネスをつけるのを手伝いながら尋ねた。

 「大丈夫。強いて言うならシートの座り心地かな」

 「ここのパイロットはみんな同じことを言うよ。あっちの世界じゃよほどいい機体に乗っていたんだろうな」

 「ヤゼンやザインも文句を言っていたのか」

 あの真面目そうな二人、特に兄のヤゼンが文句を言っているところは想像が難しかった。

 「イラク軍は案外いい装備を使っていたらしいよ。少なくともこの怪しい中国製の座席よりはマシだったみたい。後、ティモシーも三十二種類の言い回しで長々と文句を言っていたよ」

 「ティモシー? あいつはF-16だろ」

 「ああ、フラッグは知らないか」

 幡谷の身支度を終えたフランシスがはしごを掴んだまま笑った。

 「彼も以前はMiG-21に乗ってたんだよ。バンカーの買ってきたF-16は全部壊れていたけれど、共食い整備で一機だけ動かせるようになったんだ。その一機を争ってパイロット全員で空中戦トーナメントをしたんだよ。それで圧勝したティモシーがF-16を勝ち取ったんだ」

 「へえ、それはいいことを聞いた。じゃあ、俺がティモシーに勝てばあいつのF-16は俺のものにできるな」

 「どうかな。ティモシーはアメリカ空軍内でも相当な実力者だったらしいからラプターキラーのフラッグでも難しいと思うよ。まあ、今はこのMiG-21を落とさずに飛ばすことだけ考えて。じゃあ、行ってらっしゃい」

 フランシスはバンと幡谷の肩を叩き地面に降りた。近くにいた整備員が寄ってきて機体に立てかけられていたハシゴを外し格納庫にもっていく。

 幡谷はキャノピーを開けたまま、マニュアル通りコクピットの中のスイッチの状態を確認した。確認項目は五十近くあったがMiG-21を動かすのはこれが三度目ということもありすんなりと終えることができた。

 「こちらフラッグ、これよりエンジン起動の準備を始める」

 『了解。整備員は退避済みだからいつでもいいよ』

 無線を通じてフランシスが答えた。まだ肉声でも会話はできるがエンジンが起動するとその騒音で無線を通さない会話は不可能になる。

 幡谷はチェックリストを膝の上に置きMiG-21の起動に取り掛かった。項目を読み上げ、一つずつ確認をしていく。

 「バッテリーチェック、よし。次に地上電源に接続。電圧よし、マスター・ワーニング・ライト(主警告灯)よし、スタビライザー、ピッチ指示、ドロップタンクよし、燃料も満タン、と。次は警告灯のテスト、妙に硬いスイッチだな……これも問題なし」

 続いて幡谷はブレーキ、航法装置、通信機、電波高度計、敵味方識別装置、光学照準器などを確認した。それぞれ五から十ほどの確認手順があり、マニュアルを見ながらだと相当な時間がかかった。はっきり言えば面倒くさい作業だったが、これから戦闘機で飛べると思うとスイッチの位置や装置の電圧確認をするだけでもテンションが上がってくる。

 「こちらフラッグ、これよりエンジンを起動させる」

 『了解』

 念のため外のフランシス達に確認を取ってからフラッグはMiG-21のエンジン起動手順を開始した。

 「地上電源、APU(補助動力装置)、消火装置、それぞれON。エンジンスロットルは、きちんと動くな。位置はシャット・オフにして、ジェネレータースイッチ、無線、燃料ポンプの表示、それぞれON、そしてスロットルをアイドルにして、エンジンスタートボタンを二秒押す、と」

 幡谷がボタンを押し込むと、機体の後部に取り付けられた旧ソ連製、厳密には中国製のデットコピーのエンジンが起動を始めた。小さくかった振動が次第に大きくなり、すぐに周囲の雑音が聞こえなくなる。ジェットエンジンの音はよく騒音被害だといわれるが幡谷にとっては最高級の音楽の様に心地よかった。ただしMiG-21の場合、正統派のオーケストラというよりはウォッカを飲みながら踊り狂うお祭りのBGMのような感じだ。

 「それでも空を飛ぶ音だ。最高だよ」

 ジェット燃料が燃える臭いがし、幡谷の頰が自然と緩んだ。エンジンは規則正しいく甲高い音をあげている。異常なく立ち上がったようだ。これですぐに飛べる、というわけではない。エンジンが温まるに従って、バッテリーやエンジン温度、油圧の確認が必要だし、機体を起動させるために使った地上電源の切断などやることはいくつもあった。まずはエンジンの状態を確認する。状態を示すライトは全てグリーンだ。

 「次は操縦系統の確認か」

 MiG-21はF-2など電気信号で機体を動かすフライ・バイ・ワイヤのようなシステムは搭載していない。人間の筋力とギアや油圧システムで動翼を動かし旋回や上昇下降を行う。幡谷は操縦系統の油圧システムの圧力やエアブレーキ、フラップといった稼働部分の動作を確認する。結果はどれも良好だった。

 『準備できた?』

 無線を通じてフランシスの声がした。キャノピーはまだ開いているが、ジェットエンジンの音が大きすぎて声はかき消されている。幡谷は左手の親指を立てて合図をすると、少し離れた位置にいたフランシスが親指を立てた腕を上げ大きく掲げた。その向こうでコスミンがキラキラとした目でこちらを見ている。

 幡谷は勢いよくキャノピーを閉じた。外の音が完全に遮断され幡谷とMiG-21だけが世界の全てになる。

 『ヤゼンさんのMiG-21はもうD格納庫から滑走路に向かい始めたよ。遅れないよに。良い旅を』

 「サンキュー、フランシス。……こちらデルタ・スリー、フラッグ、これよりランウェイに向かう」

 幡谷は無線を切り替え、管制塔に呼びかける。デルタ・スリーとは今日の訓練でフラッグに割り当てられたコールサインだ。

 『あ、はい。了解です。ええと、デルタ・スリー、滑走路に向かってください』

 管制塔から返事が返ってくる。聞き覚えのない若い女性の声だった。イシュウ飛行場の管制塔にはアメリカ空軍出身の金髪の美人がいるのだが、愛煙家の彼女はもっとハスキーな声をしていた。英語の訛り方がコスミンに似ているので地元採用の社員なのかもしれない。

 幡谷は機体をタクシング(地上を自力で移動すること)させるため、機体のブレーキ類を解除し、キャノピーがきちんと密閉されていることを確認する。それからいくつかの手順をこなし最後にストップウォッチを作動させる。MiG-21は短距離用の迎撃機なので燃料の量はF-16やF-2に比べると半分程度しか入らない。飛んでいられる時間は一時間も無く、時間の管理は非常に重要だった。ストップウォッチが四十分を指したら訓練を中断して着陸態勢に入る、そう幡谷は決めていた。

 全てのブレーキを解除すると、幡谷のMiG-21がゆっくりと動き出す。格納庫の前にある駐機場を出て、タクシーウェイと呼ばれる滑走路に続く道をゆっくりと進んだ。航空機にはそれぞれ癖があり、それは地上を滑走している時にも出る。幡谷は慣れないMiG-21をなんとか操りながら機体を滑走路に向けて進めた。そうしている間にもジェットエンジンは燃料をどんどんと消費している。地上でもたつけば、それだけ空中にいられる時間が少なくなってしまう。なんとか滑走路につくと、そこには既にヤゼンのMiG-21が待っていた。

 その機体の垂直尾翼にはイラクの国旗と交差する二本の曲刀が描かれている。ヤゼンのパーソナルマークだ。彼は今日の幡谷の初飛行に付き合ってくれることになっていた。幡谷にとって初めての空だ。もし飛行場を見失ったり、空中でトラブルがあったりした場合はサポートが必要になる。そのサポート役をヤゼンが買って出てくれた。本来であればペアとなるはずのティモシーがやるべきなのだが、彼は「F-16とMiG-21では編隊が組めない」などと言い訳し幡谷の訓練に付き合うことはなかった。

 『少し時間がかかったな。まだミグにはなれないか?』

 無線を通してヤゼンのイラク訛りの英語が聞こえる。声は不愛想だがヤゼンは何かと幡谷に気を使ってくれていた。幡谷というよりかは日本に対して妙に好意を持っているようだ。

 『どうする? 今日はタキシングまでにしておくか?』

 「いや、飛ぶさ」

 『無茶はするな。一度も実戦に出ないまま死体袋に入られても困る。最近は帝国への攻勢も収まっている。訓練の時間は十分にあるぞ』

 「俺は飛びたくてウズウズしているんだ。この日が来るのを何か月も待っていた」

 『そうか』

 ヤゼンの声が若干高く聞こえた。もしかしたら笑っているのかもしれない。

 『では、空の上で会おう。わかっていると思うが基地の南側が大きな湖になっている。今日はその上で機体の慣熟飛行をするんだ。初日から無理はするな。いいな、フラッグ?』

 「了解だ、ヤゼン教官」

 『俺は教えられん。ただ隣で見ているだけだ。では上で待ってる』

 そう言うとヤゼンは管制塔と短いやり取りをし、MiG-21を一気に加速させた。アフターバーナーの青い炎を引きながら太い円筒形の戦闘機がどんどん小さくなり、やがて滑走路から浮かび上がった。ヤゼンは垂直に近い角度で一気に急上昇しあっという間に空の青色に消えていった。

 離陸を見届けた幡谷はヤゼン機が残したジェットエンジンの排煙を浴びながら、機体を離陸位置まで移動させた。

 「イシュウ管制塔、こちらフラッグ。離陸許可を」

 『こっちは誰ですか? デルタ・スリーのフラッグさん? あ、こちらイシュウ管制塔です。ええと、ウィンド一六〇、三ノット(風が一六〇度方向から3ノットで吹いている)、クリアード フォー テイクオフ ランウェイ ワンエイト。これでいいんですか?』

 『そうよ、ばっちりじゃない』

 『やった! あ、デルタ・スリー、とにかく離陸オッケーです』

 管制塔から聞こえてくる女性の声はかなり幼い。もしかしたら高校生くらいかもしれない。口調は機械的で何かメモを読んでいるようにも聞こえた。相槌で聞こえてきたハスキーな声はいつもの女性管制官だ。OJTで隣にいるらしい。マイクのスイッチを入れたまま二人で何かを確認している。

 (本当に離陸して大丈夫なのか)

 幡谷は若干不安になった。戦闘機といえども空港の周辺では管制官の指示に従って飛ぶ。腕のいい管制官はものすごく混み合った空もテキパキと交通整理できるが、素人の場合だと離陸や着陸を待たされることも多い。

 「まあ、見える限り他の機影はないから空中衝突の心配はないだろうけれど……こちらデルタ・スリー、クリア フォー テイクオフ」

 幡谷はMiG-21の機首の降着装置を滑走と垂直になるように固定し、フラップを離陸位置の二十五度にする。そして降着装置のブレーキをオンにしてからスロットルを最大まで上げ、アフターバーナーを作動させた。ジェットエンジンの高温の排気に燃料が噴射され、さらなる推力を生み出しエンジンの回転が一気に高まる。幡谷がブレーキを解除すると背中がぐっとシートに押し付けられ、機体がどんどん加速していく。発進から約二十五秒で機体は三二五ノット(時速約六〇〇キロメートル)まで加速した。幡谷が操縦桿をわずかに倒し機首をあげると、独特の浮遊感がしてMiG-21の降着装置が滑走路を離れた。重力から解き放たれた機体は緩やかな角度で上昇し、ある程度地面を離れたところで幡谷は降着装置を収納し、フラップをあげる。高度が二千フィート(約六〇〇メートル)を超えたあたりでスロットルを下げアフターバーナーを止め、四五〇ノット(時速約八三三キロメートル)で上昇を続けた。アフターバーナーは高い推力を得ることができるが燃料の消費は非常に大きく数秒で何十リットルものジェット燃料を消費してしまう。離陸の時や戦闘のここぞというところでしか使えない、パイロットにとっての切り札のようなものだった。

 幡谷は訓練高度の高度一万五千フィートを目指し機体を緩やかに上昇させた。できればヤゼンのように急上昇したかったが慣れない機体で大きな角度を取るのは事故の元なので諦めた。

 幡谷の目の前には青い大空が広がっていた。

 空を飛ぶことは魚になって海を泳ぐことに似ていると幡谷は思っている。時速数百キロの世界では空気ですら確かな存在感を持って現れる。そう、ちょうど水中を泳ぐときの水のように手ごたえがある。それに航空機の翼が空気を切り、太陽の光を浴びて輝く様は水面から差し込む光を受けてきらめく魚に似ている。幡谷が乗る機体、MiG-21のNATOコードは「フィッシュベッド」。魚の寝床や漁礁という意味だが、太目な円筒ボディと短い翼はマグロなどの大柄の魚の方が適切に思える。

 (マグロ乗りのフラッグ、悪くないな。パーソナルマークが付けられるなら大漁旗とマグロがいい)

 そんな事を考えている内に期待が高度一万五千フィートに達した。幡谷が操縦桿を戻すと機体は上昇を止め、水平飛行に移った。その動きのスムースさに幡谷は少し意外に感じた。

 「反応は悪く無い」

 旧式機ということでもっと鈍い反応を予想していたが、高度一万五千フィートにおけるMiG-21は意外にも素直に動いた。反応の素直さではMiG-21の方がF-2よりも上かもしれない。

 「さすがは東側のベストセラー機だ。飛ぶのが楽しくなってきたぜ」

 幡谷は先行したヤゼン機を前方に見つけ、編隊を組むべく機体をわずかに加速させた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る