もろともに 3

「想像してたんだよ。例えばさっきの卒業生、卒業するって事は、会うとしたら放課後か休日になんだろ?」


「そうだろな」


「んーと、映画観たり? サ店行ったり? 後は遊園地とか水族館?」


「まあ、そんなトコじゃねぇ?」


「こいつと行って楽しいかなぁ? って考えてみんの」


「はぁ?」


 素っ頓狂な声をあげた俺に背中を向けて、祐志は再び階段を下り始めた。


「んで? 考えてみて? そしたらどーなるワケ?」


「だからー。どー考えてみても楽しくなさそうだったから、『お断り』したの」


 うんうんと頷きながら言った祐志に、俺は「んん?」と首をひねった。


 ちょっとちょっと待ってー。それっておかしくねぇ?


「お前、想像だけで振ったってコト? 今までのも全部?」


 俺は踊り場で祐志に追いついて、その腕に手をかけた。俺より少し背の高い祐志の顔を、間近で見上げる。


「そう。休み時間にこいつと話して楽しいかなぁとか、今までのもそんな感じ」


「いや、意味解んねぇって。てか、もったいねぇーッ!」


 叫んだ俺に「そうか?」と首を傾げる。

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