第26話




カミュは

ルーナが逃げたという

村の奥へ向かって歩いていく。




ルーナの

ペンダントトップは

カミュが預かって

アイテムボックスに入れてある。



「無くしたらヤダもん」


ということらしい。




「あのね。あの時、エルお兄ちゃんがなんか叫んでたの」


でも

ルーナね。


エルお兄ちゃんが何を言ってたのか

聞こえなかったの。


アレクがね

ルーナのこと

抱っこして走り出したら

エルお兄ちゃんが笑ったの。


なんでエルお兄ちゃん

一緒に来てくれなかったのかな?





ルーナの言葉に

カミュは息が詰まった。



『エルお兄ちゃん』は

多分

「ルーナを連れて逃げろ」と

叫んだのだろう。



そして

自分は

『妹を守って死ぬ覚悟』を

していたのではないか?



それでも

妹には

『笑顔の自分』を

覚えていて欲しかったのだろう。




「すごいアニキだったんだな」



カミュが

思わず口にした言葉に


ルーナは


嬉しそうに笑った。







ルーナに

連れられてきた場所に


三体のガイコツを見つけた。







アレクも

マルベリーも

ナルスも



ここにいたんだね。



「・・・ただいま」






  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る