第17話


ルーナが

手を伸ばした壁には


大人が通れる広さの空間が

現れた。



その先には

草原くさはら

広がっていた。



ルーナの目には


驚きと戸惑い

そして

恐怖が

表れていた。





「ルーナ。大丈夫か?」



オレは

そのまま外に出ず


口を開いた壁から

離れた床に座り


腕の中で

小さく震えている

ルーナに

話しかける。




ここまで来たんだ。


今さら

慌てる必要はない。




ルーナの

望むタイミングで


動けばいい。



ルーナは

オレの服を掴み


身体を

震わせながら


それでも

少しずつ

ゆっくりと

呼吸を整わせていく。



服を掴んでいる

ルーナの手に

オレの手を重ねる。



「無理をしなくていい」


時間は

いくらでもある。




ゆっくりで構わない。







だから




「一緒に行こう」





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