第16話



出口は

ツタが絡まっているだけの

何も無い

石畳の空間だった。



変わらず

オレの腕の中にいる

ルーナは


キョロキョロと

辺りを見回している。



「見覚えがあるのか?」


「・・・わかんない」



首をプルプルと

左右に振り


コテンと傾ける。



オレは

空いてる手を

壁に伸ばす。


石独特の

固い感触が

指先に触れた。



ルーナも

オレのマネをして

手を伸ばす。





だが

ルーナの指が

石に触れることはなかった。



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