第15話


ずっと

ルーナを抱き抱えて

洞窟の中を進んで行く。



ルーナは

何かを感じ取っているのか


緊張しているのか



表情や身体が

引きっている。




道の先が

少し明るくなり

出口が近いことを教えていた。



それでも

オレたちは

口を開かなかった。




村が無事なら


生存者がいるなら



何かしらの

『音』が

聞こえてくるはずだ。





オレたちの耳には



何も聞こえて来なかった。

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