編集済
なろうテンプレ最大の利点は「誰でも書ける」という入り口の広さだと思います。
なろうテンプレを「あらかじめ枠が用意してあって、あとはピースをはめれば最低限の見た目にはなるパズル」の様なものであると捉えれば、
「それを書くことの容易さ=量産されている理由」と「他人の作ったパズルをわざわざ買う人は少ない」という、これだけで成功することは難しいことの説明にもなるのではないかと思います。
作者からの返信
パズルですか。テンプレートなので枠が用意してあってというのはわかりますね。
容易さはわかりますが、需要もまた多いんですよ。そこで他人の作ったパズルでも面白いパズルなら買ってくれる需要層はあるんですよね。
ただ、そこの需要層に受ける要素として、どうしても理解できない部分があるんで、私の作ったパズルは大して売れなかったんですよ。
レビューありがとうございました!
一連の考察、楽しく読ませていただきました。
小説家になろうという場所は、巨大なガラパゴスだという印象があります。
内部で独自進化を遂げてしまっているために、ここに適応することでかえって従来型の小説としては通用しにくいものになるという考察については私も同感です。
なろう小説はテンプレばかりだという考察に対し、いやヒット作にだってテンプレをはずしている作品はあるのだ、という反論がありますが、そういう作品でもガワの部分は「なろう小説」であることが多いんですよね。プロ作家がなろうで書く場合、まず体裁だけでもなろうに寄せないとなかなか手にとってもらえない、という現状があるようです。
手に取ってさえもらえれば普通の小説に近い内容でも読んでもらえることはあるようですが、逆に言えばプロの作品でも「なろう小説」らしい拵えになっていないと読まれないという現状もやはりあるわけで、書きたいこととウェブ小説らしさとの整合性をどうとるか、ということの難しさを痛感させられます。
作者からの返信
巨大なガラパゴス! 言い得て妙ですね。
そう、ガワだけでも「なろうテンプレ」の体裁を取らないと見てもらえないんですよね。
例えば歴史小説でも、現代人の転生とか憑依とかにしないと多くは読まれないとか。
本当に難しいと思います。
同じように考えている方がいたことに安心しました。所詮書きたくないものが好まれている場所、ということをはっきり認識できましたので、『出してみたらどうか』と言われている作品を出すのはやめにしよう、と参考になりました。いい勉強をさせていただきました。
作者からの返信
やはり、同じように思われましたか。
「なろう」だと、トップはねらっても無理かなと思えます。
ただ、この「カクヨム」でもトップは狙えないのですが、こちらは書き手が多く、交流がしやすいシステムになっているので、爆発的人気は得られずとも読者は獲得できる可能性があります。
異世界ファンタジーが強い傾向は変わらないのですが、書き手が多い分、しっかりした文章が評価される傾向はあります。
その点は「なろう」と少し傾向が違いますので、ご参考までに。
最後まで読ませて頂き、非常に勉強になりました。
今まで、なぜ小説教室等で教わることと全く真逆のことをしている、所謂なろう系の小説が支持されるのか、ずっと不思議でしたが、結城藍人さんの説明を読んで納得しました。
あれは小説の形をしていますが、RPGを文章に起こしたものであり、小説とは別物と捉えた方がわかりやすいですね。
私も「従来型の小説」の方が面白いし、また自分も書きたいと思いますので、小説投稿サイトでランキング1位を狙うのではなく、腕を磨いて公募の方に応募してみようかと思います。
どうもありがとうございました。
作者からの返信
納得していただけて嬉しいです。私も、その疑問を長く持っていたので、その答えの一端が見つかったのかなと思って、このエッセイを書きましたので。
ただ、これを書いたあとで「なろう」の方で色々な意見を読みましたら、「なろう小説」というのは、これはこれで「新しいジャンル」なのかとも思えるようになりました。確かに「従来の小説」とは違うのですが、それは「違う」のであって上下があったり良し悪しで判断するものではないなと。
それでも、私も「従来の小説」の方が好きだし、自分でも書けるのはそっちだと思うので「従来の小説」のフィールドで勝負していきたいと思っています。
レビューもありがとうございました!
他の方々もおっしゃっていますが、なんとなく理解できているようで納得まではできていなかったことを、こうしてズバリ示していただけてとてもスッキリしました! 実際にテンプレ執筆を経てみての考察とのことで、説得力倍増です。
私自身はテンプレで少しでも何かを書ける気が全くしませんので、おとなしく自分の道を行こうと思います☆ そういう異文化の存在を知れたことに感謝しつつ……。
作者からの返信
おお、スッキリしていただけましたか。そう思っていただけたのなら、書いた甲斐がありました。
書こうと思って上手く書けるならいいのですが、そうでないなら自分の道を極める方がよいかと思います。参考になったのでしたら幸いです。
はじめまして。
モヤモヤしていることを言葉にして頂いた気分です。
読まずに言うのも違うと思って、なろう系の本をきっちり一冊読んでみました。主人公が何の苦労もせず強くなっているので、間接的に周囲を貶めている気がしてしまいました。なんていうか、コロンブスとかピサロにでもなったつもりか、と。周囲に対する優しさはないのかと。
ただ、あの執筆スピードと読者の多さはすごいと思います。
それに便乗してなろう系みたいのを書こうと思いましたが、思いっきりコンキスタドールの話になってしまいました。
作者からの返信
私もモヤモヤしていたものを、なるべく簡潔にまとめてみました。
「主人公最強」は昔からエンタメでは定番ではあるのです。
ただ、そこに「苦労」や「努力」が無いのがテンプレの特徴でして。
このエッセイでは書かなかったんですが、この前に書いたテンプレ挑戦エッセイの方ではテンプレ読者が「容赦無さ」を求めることについても書いています。努力や苦労無しというのは、敵を容赦しないという残酷さと表裏一体なのかもしれないとは少し思っています。
コンキスタドールの話を拝見しました。なかなかアイロニカルで面白かったです。
ただ、あのコロンブスだって大西洋を横断するのには結構苦労してるんですよね。テンプレって、それすら否定するんですよ。
そして、そういうものを求める読者が多いんですよね……。
ありがたく、とても楽しく読ませていただきました♪
それなりに「なろう」などの読者でありますが、漠然と感じていた
“コレは読書体験ではなく、ゲームとかに入り浸る感覚かも…” と思っていた
ムズムズする印象に、あらためてしっかりした考察を示していただいたような
そんな気がいたします。
小説書きの方々からすると、こうした所謂「なろう」系の作品群は、
この時代の正体の明らかでない淀んだ不安などから一時離脱するための、
「読むべき空気」の退避の行き先なのでしょうかw。
正直、“こんなものばかり読んでたら、バカになるんじゃないだろうか…?”
という不安wは、それこそ真摯な小説などに触れたことのある人々からすれば、
「楽して(仮想通貨とか、株とか、F.X.とかで)儲ける方法」を無思慮に求める
現実世界の即物的欲望の具現化手段に対する一種の嫌悪にも似て、
どこか後ろ暗い何かを感じ、警戒させてしまうのかも知れませんね。
知人の作家さんや翻訳家の方々の、かなり不景気な( ´∀`);出版全般のお話を
聞くたびに、すでにこの時代が「本や絵画」等を、
具体的にどこか、そこにあるはずの、受け手が心にとどめる「何」かというより、
これまで以上に情報群の「消費財ないし印象」として、
スマホなど端末から引き出せるモノの優先順位でしかなくなっている事に、
不安もやはり感じます。
これから常に「端末」等、有りきでカラダの一部としていく人々の作る未来に、
物語とか脈絡とかにこだわる人間たちは、
もしかすると置いてけぼりになるのでしょうかw。
そんなことにならないと良いな、と思いながらも、
“なろう” や “カクヨム” を、今日も眺めております一読者であります。
作者様の物語、小説作品も、楽しみにしております♪
作者からの返信
おお、やはり「ゲームに入り浸る感覚」みたいなものは感じておいででしたか。
時代の空気を反映しているのではないかとは思えますね。
それが消費される一過性のものなのか、それとも、ここから継続して後世に残る「文化」が生まれてくるかは、これからなのではないでしょうか。
能だって、歌舞伎だって、落後だって、漫画だって、最初は使い捨ての消費財的な娯楽だったものですから。
このエッセイだけでなく、色々読んでいただいて評価もいただけているようで、非常に嬉しいです。ありがとうございます。
編集済
いつも私の方のエッセイに応援ありがとうございます!
なかなかお邪魔できずに申し訳ございません。
いや~、さすがです。私もテンプレに手を出してみようかと思っていましたが、これを読ませていただいて迷いが(笑)
「スマホでソシャゲ」はすごく納得いたしました。確かにスマホで短時間で読もうと思うと、なろうテンプレの方が向いていると感じたので。
更には「なろうテンプレ原作のコミカライズ作品」だけを読み漁る層というのも存在するので、案外奥の深い世界なのですねぇ。
作者からの返信
おお、実は私も今回アップされたエッセイで、ちょうどテンプレについて考察されていたのを拝見しておりました。
それで「キャラが立ってればテンプレの方が邪魔にならない」というのを読んで「なるほど!」と思ったのですよ。
結局、設定とキャラが求められているというなら、それ以外の部分はテンプレで済ませるというのは合理的なのかもしれません。それで、受けるまでトライ&エラーで量産していく。それができればWeb小説で受けることができるのかなと思うようになりました。
そうなると、私が前回行ったテンプレチャレンジは前提から間違えていたことになるんですよね。
一度チャレンジしてみても良いのではないでしょうか。私も一度チャレンジしてみて、だいぶ勉強になりました(笑)。
初めまして。政宗あきらと申します。
なるほど、なるほどと唸りながら読み進め、とても興味深い考察でした。
まだまだ自作も落ち着いていないので先の話にはなりますが、一度くらい、テンプレ的なものも挑戦してみたくなりました。いや、書ける気はしないのですが(笑)
ある程度の『型』を意識した上で、それを自在に破る事が出来たなら、きっと楽しいのだろうなと夢想します。いやぁ、勉強させて頂きました。ありがとうございます!
作者からの返信
おお、参考になったのでしたら幸いです。
挑戦してみるのは良いことだと思います。私も挑戦してみましたんで。
型があるんで、それを破ったり逆手に取ったりするのは楽しいんですよ。
そっちは好きなんですけど、私の場合型どおりに作るのが苦手でして(笑)。
何から何まで同意見です。これは個人的な愚痴なのですが、最近異世界チート系が多すぎて読者の知性の衰退を如実に感じます。「努力せず認められたい」みたいな願望は吐き気がします(笑) カクヨム内でもそういう作品が上位を占めているのが残念でなりません。最強主人公に自分を重ねたい読者と、その需要に応えて悦に浸る作者の共依存的な関係は、見ていて恥ずかしくなります(笑)
作者からの返信
そうなんですよね。最強主人公というのはある意味で昔から定番なんですけど、そこに「努力せず」がくっついてるのが「チート」の特徴なんですよ。無敵コマンドなんてて、私なんかからすると「ゲーム的にも」楽しくない気がするんですが。
なろうテンプレの作者の思考を想像すると、「世の中をよくするために仲間とがんばる主人公」を書きたいわけではなくて、「とにかく攻撃してスカッとしたい。相手は悪い奴がいいな」程度でしか考えてない気がします。
タイトルに「異世界」と着いてると、読む気もなくします。
実世界での勝負を投げて、架空の世界でレベルの低い悪を倒していても、「作者たる私は正義なんだ! 」と言いたいだけの言い訳に思えて。
ときどきニュースに出る、あおり運転とどう違うのかわからなくなります。
作者からの返信
作者の思考というよりは、読者の嗜好なのかなという気もします。
私がテンプレチャレンジしたときに、いわゆる「絡んできた先輩と戦う」お約束の展開を入れたんですが、そこで「徹底的に叩きのめす」ではなくて「心得違いを諭して和解する」展開にしたら、「語りキモい、殺せよ」みたいな毒感想が来たんです。
結局、読者の方がそういう「スカッとしたい」物を求めているのかなと思えて、だから「そういう読者が主体の所で戦っても評価は得られない」という結論に達したんですよね。
何かすごく納得しました。
どうにもその『なろうテンプレ』というのが好きになれないと思っていたんですけど、極端にいえば、戦闘の描写も『キンキンキンキン』だったりしますし、いやもうちょっとこう……ないんですか!?みたいなのがあってですね。
自分はどうせなら小説が好きな人に読んでもらいたいですね。ただ上位に行ければ良い、書籍になれば良いってわけじゃないというか。
すごく面白かったです。
作者からの返信
おお、宇部様にも納得していただけましたか。
なろうテンプレが好きじゃないって話はよく聞くんですよ。やっぱり、従来の小説とか物語とかとはフレーム自体が違うのかなと思って考察してみました。
そう、この考察をしてから、ただ人気が出れば良いってものじゃないと思うようになりましたね。
楽しんでいただけたのでしたら嬉しいです。
すごく興味深い考察でした。
ゲームというと読んでいるより、やっている・進めているという感覚なのかなと。
なろう作品が書籍化する際、内容が変わることが見受けられるのですが、それを拒否なく受け入れられるのは、ゲームの2週目に別選択肢が増えてストーリーが変わっても受け入れられるのと同じたがらなのかなと思いました。
作者からの返信
ああ、なるほど!
ゲームの場合はストーリー分岐とかがあってもおかしくはないですからね。これは面白い視点です。
ただ、書籍化するときに内容が変わるのは、元の内容だとそのまま書籍化できないからかなというのはありますね。
私の知り合いで第二回カクヨムコンで特別賞取って書籍化した方の作品は、内容完全変更でしたから。キャラと舞台設定しか残ってないという。そのキャラもメインヒロインが作者様本人的に一番こだわった部分が変更されてましたし(ナイチチ→巨乳)。
ちょうど出勤時間と重なり、コメントを遅れて投稿する形となってしまいました。すいません。
うううむ…何という深い考察と分析…説得力もすごいありますなあ…
まさか携帯小説の分野まで出てくるとは…そしてその考えの通り、多くの支持層は、強くてニューゲーム状態でゲームをしている感が皆欲しいのであって、物語が欲しいわけではないのですね。その層に推されても、必ずしも流行るわけではないというその流れもとても唸らされるものでした…
考えさせるものをありがとうございました。
作者からの返信
いえいえ、実は私も今忙しくて、普段読んでる作品を全然読めてないんですよ。おまわりさん、まだ読めてません(汗)。
そうなんです。物語は欲しているのかもしれませんが、それは「スマホで手軽にソシャゲー感覚で楽しめる」ものなんです。そこに乗れないとサイト的にはアウトなんですが、今度はいざサイトから出てみると一部でしかないという。
だから、そこを狙ってもしょうがないのかなあと思ったんですよね。
このことについては、僕も考察しました。
結論として、なろうテンプレで書籍化はできても、いわゆる小説家にはなれないというのは同じです。
『ウェブ小説とカクヨムについて考えてみた』という評論を公開しているので、興味があれば拾い読みでもいいので読んでください。そこでまた、意見を交換できたらいいと思います。
作者からの返信
おお、実は御作は以前に拝読して★★★もつけておりました。
改めて読み直そうと思ったら、なぜか前半部に♡を付けていないことが発覚しまして、読み直しがてら応援してました(汗)。ときどき「後で付けよう」とか思って忘れることがございまして。
実は、このエッセイを書く前に自分でテンプレを書こうとチャレンジしたときにも実録エッセイを書いていたんですが、そこで「テンプレの利点」として「共通認識がある部分は説明を省ける」と書いたのは、まさに御作で得た知識でした。
細かい部分については、改めてお邪魔して個別の応援コメントで書かせていただこうかと思っております。
ただ、何しろ今現在ちょうど仕事が忙しくて、普段読んでいる作品も積ん読状態になっております。少々お待ちください。
ランキングで分かりやすい程にジャンル固定されているのは、なろうよりも題材にしている版権作品が変わるだけのピクシブ小説なんですよね。こちらの場合はテンプレ展開が分かりやすく、単純にカップリングで読まれているという別事情もありますが。
作者からの返信
おお、ピクシブの方はほとんど知らないのですが、そういうものなのですか。
話題になった漫画しか読んでないからなあ。
これはまた特殊な世界みたいですね。
公募や読者選考のないコンテストですか。ん~~汗
作者からの返信
カクヨムだと読者選考アリが多いんですよね。
でも「なろうコン」は実は読者選考無しで、低ポイント作品が選ばれたこともあるんですよ。
だから、やっぱり小説自体を磨いてコンテストとかで勝負はアリかなと思いますね。
とても面白い考察でした。なろうテンプレの作品は小説ではなく、ゲーム好きな人たちが読むゲームの違う形のもの、と考えると、納得できます。型ができているし、書く方も手っ取り早いんでしょうね。
改めて、普通の小説が書きたいなあ、と思いました。
作者からの返信
そういうものだと考えると、あの偏り方が理解できるかなと思いまして。
これがスマホ時代の新しい小説の形の可能性はありますが、私もやっぱり従来型の小説を書きたいですね。