第15話 道具屋
武器を買い、腰にロングソードを携えて武器屋を出た。次は何処へ行こうかと考えていると、レイが
道具屋を探しながら街をブラブラしていると、明らかに周りの店よりお洒落な装飾がされている店を見つけた。僕はその店が気になり覗いてみると、どうやらアクセサリー等を売っているようだ。
「ねぇ、レイ」
「……?」
僕は、隣にいるレイに声をかける。店の前で足を止めて、並べられているネックレスを手に取る。レイの瞳と同じ碧色の宝石が付いているネックレスだ。レイの首にそのネックレスを付けると、美しい顔立ちも相まってとても似合っていた。
「すみません、これください」
「……!?拓様……!?」
僕は店員さんを呼び、レイの首に付いているネックレスを購入する。やはり宝石と言うだけあって、少し値段はした。銀貨15枚……武器よりは安いが、そんな簡単には手を出しにくい物だろう。レイは、困惑した表情でネックレスと僕の顔を交互に見ていた。
「レイには助けてもらってばかりだったし、何かお礼をしたくてね」
「でも……私にはこの様なものは……」
レイは
そんなやりとりをした後に、僕達は
「すみませーん」
ガラっと戸を開け、店内を見渡す。どこか古い印象を受けるが、隅々まで手入れがされており、埃っぽさはない。
「うあっ!?」
しかし、誰もいないと思っていた店内から女性の声が聞こえ、同時に奥の本棚に並べられた本がドサドサっと落ちる。僕とレイは慌てて声のする方へ向かうと、20代前半くらいの丸眼鏡をかけている女性が、床に尻餅をついていた。まだ落ちていなかった本が時間差で落ち、女性の頭にクリーンヒットする。その時、「うきゃっ!?」と言って頭を抑えた。
◇ ◇ ◇
「先程はどうも、お見苦しいところを……」
女性は恥ずかしそうに頭を下げている。先程は尻餅をついていたから身長が分からなかったが、今見てみると、僕より身長が高かった。僕が170ぐらいだから、この人は174あたりだろうか?正確な数値は分からないが、そのあたりだろう。女性の栗色の髪にはアホ毛がぴょこんと帽子の隙間から覗いてた。魔女みたいな姿がまた
「いえいえ、それこそ大丈夫ですか?」
「あ、はい!慣れてますから!」
すごく満面な笑みで言われたが、僕は「あはは……」と苦笑するしかなかった。最初見た時に思ったが、もしかしなくとも、この人はドジっ子なのだろう。よくよく見てみると、ところどころに
「ところで、今日は何をお探しで?」
「あ、これからの旅に役立つ道具とかありますか?回復ポーションとか」
「ありますあります!」
女性は、壁側にある棚にある引き出しをゴソゴソと漁り、あるものをジャーンっと言いながら取り出した。
「これは?」
「冒険初心者セットです!この中には回復ポーションにマジックポーション、毒消し等いろいろ入っています!」
たしかに、これ一つで旅にはとても役立ちそうだ。僕はこれを買おうと思い、初心者セットの値段を見る。
「うぐっ……!?」
値段を見て卒倒しそうになった。……0が1、2、3、4個……とても今の所持金では足りない。レイも値段を見て恐怖しているのか、プルプルと震えている。僕達は初心者セットを諦めて、回復ポーションとマジックポーションを二つずつ買い、
この日は、武器屋に行ったり、
宿屋の扉を開くと、僕達に気づいた宿屋の女将さんが、こっちに来いと言いたげに手を縦に振っていた。何だろうと思いながらも近づくと、僕とレイに、パンと、肉がゴロゴロ入っているスープと、二人分なのか大きな骨つき肉をドンっとカウンターに置いた。僕達が困惑していると、女将さんが肉を焼きながら説明してくれた。
「この宿は夕飯付きなんだよ。本当はパンとスープだけだけど、あんたらは皆んなよりも多く金を貰っているからね。それくらいサービスさせてくれよ」
おばさん特有の優しい笑みでそう言ってくれた。そういえば、この世界に来て一度も食事を取っていなかった事に気付き、お腹が思い出したかのようにぐぅ〜と音を立てた。僕とレイは女将に感謝しながら、夕飯を食べた。お肉は何の肉だか分からなかったが、とても美味しかった。
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