最初に見たのはいつだっけ? 一ヶ月前か? それとも四週間前だったかな? たしかそれぐらいだよな、はっきり覚えてないけど、その時はもっと簡単に出来たはずなんだよな。


 漫画の見すぎか? なんて漫画だっけ? やけに人物の輪郭が尖っていて、線が多く、絵がごみごみして、なんだか迫力に欠けていて、そのくせ描かれている世界がよくわからなくて、あんまり面白くないんだよな。でも不自然な姿態を描いた場面が多くて、ついつい読み重ねちゃうんだよな。


 日本のラーメンと同じかな? 馬鹿みたいな油が浮いていて、阿呆みたいに麺の量が多く、間抜けのようにスープが濃くて、畜生らしくもやしを載せ、チャーシューが悪魔のようにむかむかする。幼稚園児が食べても体に悪いと理解できるし、年寄りが食えば胸焼けでご臨終するような味のくせに、食べた直後は「二度と食べに来るか!」と誓っても、数日後に再び食べたくなるような、毒を欲しがるような感じ。ちょっと違うか? 怖い物見たさというか、気持ち悪い物見たさというか、体に悪いとわかっていて欲しくなるような感じかな? 


 次に見たのはいつだったけかな? 二週間前ぐらいだったよな? たしかその時の方が箱は小さかったよな、はっきり覚えていないけど、ずいぶんと小さい箱だったな。それでもうまく出来たよな? なんでだろう? 男だっけ? 女だっけ? それとも子供だったけ? いや年寄りだったか? いや違うな、年寄りが登場した事は一度だってないもんな、じゃあなんだ? なんだっけ? 忘れちゃったよ。


 ちょっと突拍子過ぎたかな? そうだよな、思いつきのような感じだもんな。別に酒に酔ってたわけじゃないし、睡眠不足だったわけじゃない。体調はむしろ悪かったぐらいだけど、ストレスが溜まっていたわけじゃないし、昨日ピンサロ行ったばかりだし、何か不満があったわけじゃないんだよな。ただ、たまたま思いついてやっちゃったんだよな。


 そう、別に計画してたわけじゃないんだよな、前々から準備してたわけじゃないんだよな、じゃなきゃ、もっとうまく出来たはずだもんな。


 ちょっと箱が小さすぎたのか? けどこれぐらいじゃないとしっくりこない。もう一まわり大きければうまくいったかも? でもこれがちょうどいいよな、うん、これぐらいがちょうどいい。いや、むしろもう一回り小さいほうがいいかもな。


 衣類が悪かったのか? そうだよな衣類は邪魔だったな。分厚い物は除いたけど、薄い下着はそのままだもんな、これがやっぱり多少は邪魔になったんだ。でも下着なんて触りたくないし、やっぱり下準備が足りないんだ。 


 下準備といえば、やっぱり力が足りないよな。そう、完全に力不足だ。これならジムに通って体を鍛えておけば良かった。そうすれば中途半端にならずに、ばっちり収まっていたんだろうな。


 性別も関係あるんだろうな。やっぱり女にすれば良かった。男じゃ堅いよ、どうしても骨格と筋肉が邪魔するから。そんなのちょっと考えればわかるのに、やっぱ突発的だよ、我慢できなかったんだよな。なんでだろうな? 目の前で眠っていたからか? 前々から考えてたわけじゃないのに、いきなり試したくなったんだもんな。


 最後に見たのはいつだっけ? そうだ三日前だ。あれはすごかった、漫画で見るような事を生で実感したんだもんな、こう、くしゃっと、一瞬で綺麗に収まったんだもんな。鳥肌もんだったよな。あんなに気持ち良い体験はしたことないな、絵で見るより実際に感じるほうが、ずっと素晴らしかったもんな、でもあれか? やっぱり夢だからかな? 実際はあんなうまくいかないよ。 


 でも箱の大きさは似たような物だよな? ああ、でも今回は男か、やっぱりそれがいけなかったのかも? それにユンボに匹敵する力が必要だったのかもな? やっぱり夢だ、じゃなきゃあんなにうまくいかない。


 やっぱり女にすればよかった。それも小さくて、ほどよく肉のついた女の子がいい。やせぎすの女の子じゃ、簡単に出来るかもしれないけど、ちょっといびつだし、隙間が出来ちゃいそうだ。やっぱり女の子がいいよ。もうちょっと我慢して計画を練ればよかった。衝動に任せて学校の男を使うことなかったんだ。こいつにも悪いことしたよな。


 あと、生きたままじゃないとだめだ。死んだ後にやっても、全然感じが沸かない。こう、身震いするような実感は沸かないもんな。なんだか夢に見ていたセックスが、実際ほど素晴らしいものじゃなかったような、まあ相手によるけど、そう相手が良くないんだよ。


 やっぱり肉づき程よい若くて小さな女の子と、岩を持ち上げるような力が必要だよな。女の子はなんとかなるにしても、力はどうにもならないな。プロテイン飲んでボディービルダー並みの筋肉をつければ、いや、ちょっとやりすぎだよな。でもやりすぎぐらいじゃないと、こう、一瞬でくしゃっ、といかないんだろうな。なんか良い機械ないかな? でも機械じゃ実感が得られなさそうだ。人間を生きながら、不自然に無理やり箱に詰めるには、それなりの努力をしなきゃいけないんだろうな? でもあの漫画の男は、片手一本で軽々とやり遂げていたし、夢の中では何度か出来ていたんだよな?


 それにしても不細工な作品だ。友人にも悪いことしちゃったよ。こんなことになるなんて思いもしなかった。やっぱ骨と関節をものともしない、強力な力が必要だったんだろうな。

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