第88話 Experienceがゴイスー
「にゃぁぁぁー!!」
ミゥが吠える。
ベンケーのメイスは鎧のような鱗ごと骨を軋ませる。
クロウの居合は皮膚の薄い個所を確実に捉え斬り裂いている。
個体のスペックでは、確実に劣っている、にも関わらず怯むことなく向かってくる敵に
(コイツ等、何を考えているんだ…)
そもそも、訓練以外で戦ったことなどない
命のやりとりが、こんなにも怖いモノだとは…
結果的に、実戦慣れしたミゥ達に対し、気後れしてしまい防戦に回っていた。
「ふざけるな!! 俺達は最強の戦闘種族として造られたんだー!!」
「っと…」
ベンケーがバランスを崩した所へ、別の
「甘いな」
クロウが放たれた
『ふっ…これでワシ『草薙』に並ぶんじゃなかろうか』
『
「今日の『
「死ぬにゃ…」
ミゥが片足の
「クククッ…アーハッハハハー」
笑うリーフの表情が邪悪に染まる。
「人造の神? 所詮、紛い物ってことかしら?」
「そうでもない…私の創造主は、私を紛い物とは呼ばなかった」
「無様ね…」
「身体など…肉の器など、いくらでもスペアがある、この身体も創造主の現身に過ぎぬ、オマエの姿とて私と同じ『
「リリス…
「思い出せ…リリス、自分が何の為に産み出されたかを…」
「思い出す…何を…」
ズキンッ…ズキンッ…
リーフの頭に痛みが走る。
「私を選べ…その身体を私に差し出せ…」
「アンタに? 冗談でしょ!! 私の身体は…いえ、この世界は全て私のものよ、石ころひとつ、オマエなんかに渡す気はないわ!!」
「どこまでも傲慢な…」
「アンタに言われたくないわ、どうせ考えていることは同じでしょう」
「まさか…傲慢な人間から秩序ある亜人種へ、この大地に人が蔓延る必要名は無い、この箱舟は、未来を託すにふさわしい種を選び、造るための物だ」
「それをアンタが決める? それこそ傲慢よ!!」
「私は、『
「さぁ、その身体を渡せ…時間が無い、あなたが望んだ世界は、私が造る、あなたが得た知識と経験を使って」
「私が望んだ?」
リーフの表情が険しくなる。
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