最終章 駆け足でいくぜ 導かれし者達編

第85話 Dialectがゴイスー

「お待たせしたネ、肉まんアルよ」

 チャイナ服の少女がヒトミの前に肉まんを運んできた。

「アルアルアルアル…ウルサイところねー」

 ヒトミが肉まんを食べながらボヤく。

「コレを飲んだらカロリーゼロになるらしいアルぞ」

 ベンケーがウーロン茶を差し出す。

「方言が移ってるでごアルぞ」

「アンタもだよ…」

 リーフが麻婆豆腐を食べながら呆れた目でクロウを見ている。

「コレが美味しいにゃー」

 杏仁豆腐が気に入った様子のミゥ


「主ら…世界の何処でも生きていけそうじゃの~」

 薔薇母バラモがスープを飲みながら呆れている。

 初めての異国で、初日の昼に現地に馴染む異国人、もはや奇跡である。

「なによ、異国に来たら、まず現地の食に従うのは国際ルールよ」

 ヒトミがゴマ団子を箸で、ブッ刺して食っているもう挟むことは諦めた

「歯にセサミが挟まるけど美味いわよコレ」

「ソレは歯周ポケットがスカスカになっているんだわ、アンタ歳ね」

 リーフがツバメの巣とやらを、不思議そうに見ている。

「女は常に今が絶頂期なのよ!! そういう気概で生きているの!!」

「気持ちだけじゃ歯周ポケットは埋まらないわ」

「コレを使うにゃ」

 ミゥがマンゴープリンを差し出す真顔で

「ソレを歯茎に詰めたらポケット、ガバガバになるわ!!」


「ところで…なんでココで呑気に飲茶してるアル?俺達」

 ベンケーが薔薇母バラモに尋ねる。

「待ってるのじゃ…迎えを」

「お迎え?」

 3バカの箸がピタッと止まる。

「誰か来るのかニャ?」

造魔ゾーマの使いじゃ…決まってるじゃろ」

「当然ね」

 皆が驚いている中ミゥ以外の3バカでリーフだけが当然と言った顔でフカヒレを食べているツバメの巣はスルーした

「なんで当然なの? どの辺に常識ルールを感じたの?」

が来たのよ…VIP待遇でよくない?」

 胸は薄いが神経は太いリーフ、造魔ゾーマの使いなどに恐れ戦かない。

「どうせ会いに来たんだ…楽に会えたほうが得かもしれぬ…ござ…アルな」

 クロウが炒飯をレンゲですくう。

(スープとメシを同じコレで食う…効率的なだけではない、スープと油が絶妙に絡む…)

「クロウ…アンタ、絶対アルの使い方、間違ってるわよ」

 ヒトミ談


「食べた割には、モッタリしないわね」

「コレだウーロン茶の効果だ」

「ミゥ…クリームソーダの方が好きにゃ」

「クソほど辛かったわ…麻婆豆腐…マグマかと思ったわ」


 各々、飲茶を満喫して、しばし…

「お待たせしました薔薇母バラモ様…ティ梅可愛メィカァ

 様」


 明らかに人ではない風貌…亜人種

リザードマン爬虫類の亜人種…」

「少し違います、我らは龍人ロンレェンと言います、さぁ車を用意してあります、4時間ほどドライブしながら、この国の事を説明しますよ」

 黒いローブを纏った龍人ロンレェンと名乗るオス3人がニコリと笑う。

 金色の目はトカゲのソレだ。


「なんだコレ…鉄の馬車か? 馬がいねぇアルが?」

 ベンケーが驚くのも無理はないしらねぇんだから

 それは電気自動車環境に配慮エコカーであった。

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