第71話 Knowledgeがゴイスー
「
ベンケーが横目でにらむ様に
(静…)
音も立てずに立ち上がり、『
背中のショーテルすらカチャリとも音を立てないのは、所作に無駄がない証拠…それは、動揺などないという心理状態を表している。
「リーフ…
白い顔でニコリと笑う。
他者を籠絡して権力を振るう妖狐は美しい。
『
ゆえに動揺などない。
「
(化け物が…動けやしねぇ…)
油断は無かった、しかし手が出せなかった。
ベンケーがギリッと歯ぎしりする。
その身体は汗ばんでいた。
「リーフ…
金色の瞳が興味深い色を発し、リーフを見据える。
「どういうこと?」
リーフの隣にチョコンと座るミゥ、立ったままのクロウ・ベンケー・ヒトミは蚊帳の外であった。
(ミゥが大人しい?)
ヒトミの疑問は最もである。
敵と認識すれば、誰より早く飛びかかりそうなミゥが
「厄災後…に放たれたのは『ボンド』と『アマルガム』だけじゃないってことだよ」
その昔から、人類は様々な生き物を空想してきた。
その発想は、実在する生き物を変化させることから始まり、異なる生物を切って張った姿へ、いつしか混ぜ合わせたような姿へ空想は移りゆく…
「猫又がミゥに変化したように…」
『
この世界に現存する生物の解析を終えた『ノアの方舟』は興味で、空想と同様の手順で生物を造りだしてしまった。
「双頭の蛇からキメラへ…そして人に他の生物を混ぜていく…」
リーフがチラッとミゥを見た。
クスッと笑って
「数多の空想上の生物が厄災という時期を経て…解き放たれた…」
「だが…
「どういうことよ」
「気づいたんだよ、『ゲノム』とは別の設計図が生き物の中には存在することに…」
「何の話か理解できないわ」
「今は…な…『霊子』と呼ばれた、そう『魂』とも言うべきものが宿っていることに気付いた人類は、新たな生命を造りだそうとした…」
「生命?」
「ハデスが解き放った『死怒』も…
繁殖はせず、身体を持たぬ代わりに死を迎えることがない、唯一の存在。
自由意思を持ち、物理的接触には『器』を必要とする。
『神』『悪魔』などと呼ばれる存在
「それが
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