進展遅いぞ三章再開 そして伝説へ編 誰が語るのか?

第69話 Learningがゴイスー

「ご褒美?」

 リーフがサッと両手を差し出す。

「我の力を貸し与えよう…」

 ヒトミのダガーを手に取り、自らの両目に突き刺す。

「ひぇ…」

 思わず身震いするヒトミ

「我の魔力を…役立てるがよい…さらば…」

 ヨロヨロと歩き、キャンプファイヤーの炎の中ちゃんと召喚元へ帰るに消えていくサブナック。

「なんか触るの嫌だー」

 ミゥがダガーを拾ってヒトミを追いかけ回す。

「にゃはははー」

「やめれー」

「目玉ダガー…メダガーみたいな?」

 リーフがボソッと呟く。

 ヒトミのダガーの柄にサブナックの目玉が埋め込まれている。見た目がグロい…

「呪われるー」

(もう呪われてるじゃねぇか…)

 ドカッと腰を下ろして安いワインをラッパ飲みする。

「また…厄介なモノを背負い込んだでござるな…」


 騒動の原因は、およそ偶然が重なり呼び込んだものである。

 五芒星3バカ魔法の火リーフ召喚呪文リーフライオンヘッドミゥ&リーフ魔力を帯びた杖ベンケー&リーフ

「ひも解けば…原因の8割は嬢ちゃんじゃねぇか…」

「……結果だけ見れば…そういうことね」

 自信たっぷりで薄い胸を張りだすリーフ。


「まぁ…とりあえず終わったでござる…」


 翌朝、リーフとミゥは元気であった無限の体力コンビ

「疲れが取れないわ…」

「寝た気がしないでござる」

「寝酒が…二日酔いだ…」


 状態異常3名を引きずったまま、御一行は古城の前に立つ。

「よし!! ヒトミ、開錠!!」

 ビシッと硬く閉ざされた門、鍵をスルッと開け、バンッと開け放つ。

「何も…出て来ないわね…」

 ヒトミが辺りを見回し、ミゥが五感で探る。

「誰も…いないにゃ…」

 庭を素通りして、いざ入城。

「よし!! ヒトミ、開錠!!」

 キチッと閉められた扉を、釘1本でカチッと開け、バンッと開け放つ。

「ぎゃぁぁぁあぁ!!」

 油断したヒトミの眼前に巨大な牛の顔…

「ミ~ノタ~ウロ~ス!!」

 ヒトミが俊足が音速に近づく逃げ足は通常の3倍

『牛鬼じゃ!!』

 ワサワサワサ…っと8本の足で追ってくる巨大牛頭蜘蛛蜘蛛の身体+牛ヘッド

「う~ん…なぜに草食動物をミキシング混ぜるのか?」

「キメラってなぁ、やる気あんのかねぇ?」

 リーフとベンケーが首を傾げる。

「ヒトミ殿は足が速いでござるな~」

 ヒトミが庭を逃げ回る、追いかける牛鬼…を追いかけるミゥ足のワサワサが本能を刺激した

「アレね…赤いレオタードが裏目ったわね牛まっしぐら、猫まっしぐら

「蜘蛛のくせに巣は張らないのね」

「不思議だな…おい」

「頭が牛だからでござろう」

「じゃあ…蜘蛛の身体活かせてないじゃない」

ミキシング混ぜ混ぜしたというか…ボンドくっつけたでござろうか」

「ニュアンスが違うってか?」

「クロウ…あんた外国人にくせに言葉異国語知ってるわね~」

「生きていくために勉強したでござるよ、コレで」

 取り出したのは『マッハ・ヒアリング異国語学習教材

「勧められて…36回払いでござる」

(キャッチセールスね…たぶん…)

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