驚きの三章中断 妖刀『薄緑』編

第68話 Namingがゴイスー

ライオン丸サブナック!! マジよ」

 ヒトミが慌ててダガーを取りに走る。

 ミゥが尻尾をフーフーしてお口で吹いてペシペシしている叩いて消して

「任せろ!! デリロション」

 ベンケーがミゥの尻尾にヌチャッとローションヒンヤリタイプを…

「ソッチはいいの!! こっちよバカ坊主!!」

 リーフの怒号が響く

「なに!! オマエもローションを求めているのか? クセになったか?」

「持たぬで…ござるー」

 サブナックの剣技は重かった…人が1人で受け止められる力ではない。

 クロウは受け流すことで精一杯、周りはワタワタしていて戦闘態勢に入っていない…

(しんぱーいないからね~♪挫けそうでも…最後にナニが勝つってんだー!!)

 頭に流れる昔の流行歌、パニックなのである。


 キャンプファイヤーから魔人召喚である…落ち着く方がオカシイのだ。


 ワタワタとした戦闘は20分を超えていた。

 いつもの感じに戻るまで10分を要したのが苦戦の原因である。


ワシも疲れた働いたら負け早く鞘に戻りたい自宅警備員 永久雇用希望…』

 妖刀『薄緑』付喪神引き籠りである。メンタル ニート

 最近、クロウの技量抜刀速度成長中リーフの圧力に負けて抜けなかったら折られそう抜けがちなのである。

『ワシ、あの頃に帰りたい…飾られているだけで良かったもの…』


 思い出す…叩かれて緊張で硬くなる身体気質はMだと思われる、細く…薄く…研がれていく身体…名刀と呼ばれるまでに鍛えられ、数多の血を吸い続けた。

 所有者が変わる度に名も変わった。

 罪人を斬りおとした際、膝まで斬れたことから『膝丸ひざまる』と呼ばれ、山蜘蛛という妖怪を斬ったことで『蜘蛛切くもきり』、人の血を吸い続けたワレに妖怪が近づくと妖力に呼応して鳴くようになってからは『吠丸ほえまる』と名を改めた。

 最後の主となった男は『薄緑うすみどり』と呼び、我を神社に奉納し…死んだと聞く…我は妖狐により持ち出され、城で強い妖力を浴び続け、意思を持つに至った。


 妖狐の妖力を辿る様に海を渡り、今…目と鼻の先まで近づいているのが解る。

『我が欲するのは、妖怪あやかしの血…』


『悪魔の血なんぞ欲しておらぬー!!』

 クロウの剣技が冴えわたる戦場いくさばで、ライオン丸サブナックの血を気持ちいいくらい浴びちゃっている『薄緑うすみどり』、本人が望まぬままその妖力を増していく一方なのである。

『呪いの刀に悪魔の血をぶっかけるって…鬼の所業なり!!』

 その叫びは、リーフにしっかり届いている最近はクロウも、なんとなく意思を感じ汲み取っている

 にも関わらず…

『ガン無視!!』


 テンションが影響するなら切れ味も鈍ろうというもの…御生憎様…血を浴びすぎて人・怪物・魔王…、意思とは無関係に切れ味マシマシなのである。


『ワシ…お家に帰りたい早く納刀されたい…』


 ソロモン72柱 43に序列される魔人サブナック 50の軍団を率いる侯爵。

 キャンプ場小高い丘に沈む…南無…。

 トドメはヒトミのダガー

「オン・バザラ・タマクカン・ヤシャ・ハーン!!」

 左右交互に繰り出される高速の短剣技がライオン丸サブナックライオン頭部を切り刻んだ。

「見事…褒美をとらせよう…」


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